ドメインはオンライン上の住所のようなもので、アクティブでないものも含めて現在世界で10億超が登録されていると言われています。ネットにアクセスする媒体が多様化していることもあり、人気ドメインには変化も見られます。そこでこの記事では、2025年の人気ドメインをランキング形式で紹介します。
2025年の人気ドメインランキング(世界)
順位 | ドメイン | 主要な提供サービス |
1. | google.com | 検索エンジン |
2. | youtube.com | 動画配信 |
3. | facebook.com | SNS |
4. | instagram.com | SNS |
5. | whatsapp.com | SNS |
6. | x.com | SNS |
7. | wikipedia.org | 百科事典 |
8. | chatgpt.com | AIチャットサービス |
9. | reddit.com | SNS |
10. | yahoo.com | 検索エンジン |
* Most popular Domains worldwide 2025 | Similarweb(英語)
日本に範囲を絞った人気ドメインのトップ3はGoogle.com、Yahoo.co.jp、YouTube.comとなっています。
世界の人気ドメインランキングからわかること
人気ドメインのランキングからは、「.com」などドメインの末尾にくるピリオド以降の記号を指すトップレベルドメイン(TLD)やドメイン名の長さについての興味深い傾向も浮かび上がっています。
現在最も使用されているTLDは「.com」ですが、その人気は低下しつつあります。全TLDにおける「.com」の使用割合は2022年に53.3%でしたが、2024年には44.4%に下がっています。
とはいえ、「.com」がよく使用されているという事実は2025年の人気ドメインランキングからも明らかです。トップ10にランクインしたドメインのうち、TLDが「.com」でないものは、「.org」を使用している7位のWikipediaのみとなっています。
TLDにはドメインの用途や事業所在国などを示す重要な役割がありますが、TLD前にくる名称もドメインの人気に貢献しているようです。名称の覚えやすさはブランディングで不可欠な要素で、ドメイン名の決定・登録は事業を立ち上げる際の出発点となります。望ましいドメイン名は短くて響きが良く、なおかつブランドイメージを反映し、記憶に残るものです。ランキングトップ10に入ったドメイン名のほとんどは2音節の単語となっています。
コンテンツ別の人気ドメインランキング
それぞれのカテゴリーに人気のドメインが数多くあり、特にeコマースやSNS、動画配信のドメインは豊富です。
以下はStatista(英語)とSimilarWeb(シミラーウェブ)のデータを基にした、カテゴリー別で最も人気のあるものです。
- eコマース部門:Amazon.com
- SNS部門:Facebook.com
- 動画配信部門:YouTube.com
- ニュース部門:Yahoo.com
- スポーツ部門:ESPN.com
- 健康部門:NIH.gov
- 旅行部門:Booking.com
- 検索エンジン部門:Google.com
- 金融部門:PayPal.com
TLDの人気ドメインランキング
順位 | TLD | 目的 | % |
1. | .com | 商用 | 44.4 |
2. | .org | 非営利組織用 | 4.2 |
3. | .de | ドイツ用 | 3.5 |
4. | .ru | ロシア用 | 3.1 |
5. | .br | ブラジル用 | 2.9 |
6. | .net | ネットワーク用 | 2.5 |
7. | .uk | イギリス用 | 2.4 |
8. | .jp | 日本用 | 2.1 |
9. | .it | イタリア用 | 1.8 |
10. | .fr | フランス用 | 1.7 |
圧倒的に人気のあるTLDは「.com」で、次いで人気なのが「.org」ですが、マーケットシェアは4.2%にとどまります。1、2、6位以外は全て特定の国の国内事業者用に設けられたccTLDで、日本用の「.jp」はシェア2.1%で8位にランクインしています。
Eコマースの人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- Amazon.com
- Temu.com
- AliExpress.com
- eBay.com
- Amazon.co.jp
- Walmart.com
- Rakuten.co.jp
- Amazon.de
- Etsy.com
- Amazon.in
AmazonはEC部門で1995年からトップをほぼ維持しており、月間ビジター数は2023年12月時点で27億人に達しています。Amazonの各国版も人気で、日本版は5位に入っています。日本企業からは楽天が7位に入っています。
SNSの人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- Facebook.com
- Instagram.com
- WhatsApp.com
- X.com
- Reddit.com
- TikTok.com
- LinkedIn.com
- Pinterest.com
- VK.com
- Discord.com
1位Facebook、2位Instagram、3位WhatsApp(ワッツアップ)と、Meta(メタ)社が展開するサービスがトップ3を占めています。
動画配信サービスの人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- YouTube.com
- Netflix.com
- IMDB.com
- Kwai-video.com
- Hianime.to
- DisneyPlus.com
- Rutube.ru
- PrimeVideo.com
- Max.com
- Dailymotion.com
利用最多のYouTubeには毎分500時間分の動画がアップロードされています。Netflix(ネットフリックス)やDisneyPlus(ディズニープラス)などは独自の作品や過去の有名作品を数多く配信していますが、ユーザーが制作するコンテンツの配信という点ではYouTubeほどではありません。ちなみに、日本の動画配信サービス、Nicovideo(ニコニコ動画)は13位です。
ニュースの人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- Yahoo.com
- Yahoo.co.jp
- Naver.com
- News.Yahoo.co.jp
- Globo.com
- NYTimes.com
- CNN.com
- MSN.com
- BBC.co.uk
- BBC.com
ネットユーザーは信頼できる情報源としてYahooを好んで使っているようです。英語以外の言語のサイトとしてYahooの日本版とブラジルのニュースサイトGlobo(グロボ)もトップ10入りしました。
スポーツの人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- ESPN.com
- CricBuzz.com
- Marca.com
- Espncricinfo.com
- AS.com
- Sports.Yahoo.com
- Livescore.com
- NikkanSports.com
- Mundodeportivo.com
- Si.com
スポーツコンテンツの人気は根強く、最も利用されているのはESPNで、毎月のユニークビジター数(ウェブサイトを訪れた人の正味数)は5億6200万人を超えます。日本語のコンテンツを扱うサイトとしては、日刊スポーツが8位にランクインしています。
健康関連情報の人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- NIH.gov
- Healthline.com
- MayoClinic.org
- ClevelandClinic.org
- CVS.com
- WebMD.com
- Walgreens.com
- MedicalNewsToday.com
- 1mg.com
- NHS.uk
1位のNIHはアメリカ保健福祉省公衆衛生局国立衛生研究所のサイトです。日本で最も使用されているのは症状で病名などを検索できるUbie(ユビー)のアプリでした。
旅行関連の人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- Booking.com
- TripAdvisor.com
- Agoda.com
- Trip.com
- Airbnb.com
- Uber.com
- Expedia.com
- NaviTime.co.jp
- Irctc.co.in
- Jalan.net
航空券やホテルを予約できるBooking.com(ブッキング・ドットコム)のようなサイトには毎月6億人超の訪問があります。トップ10には世界展開しているサイトが多い中で、日本のナビタイムジャパンとじゃらんネットのサイトもランクインしています。楽天トラベルは13位です。
検索エンジンの人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- Google.com
- Yandex.ru
- Baidu.com
- Bing.com
- DuckDuckGo.com
- Ya.ru
- Google.de
- Daum.net
- Google.co.jp
- Google.com.br
利用数が突出しているのがGoogleで、2024年時点で訪問総数は約830億回と、2位以下を大きく引き離しています。Googleの日本語版、ドイツ語版、ブラジル版もトップ10入りしています。
金融関係の人気ドメインランキング
順位 ドメイン
- PayPal.com
- Chase.com
- CapitalOne.com
- Citi.com
- BankOfAmerica.com
- AmericanExpress.com
- WellsFargo.com
- HDFCBank.com
- Caixa.gov.br
- Tbank.ru
最も利用が多い決済サービスのPayPal(ペイパル)の月間訪問者数は5億1100万人で、2位のチェース銀行の1億9200万人を大きく引き離しています。日本に限定すると、トップ3は楽天銀行、AmericanExpress(アメリカンエキスプレス)、PayPalとなっています。
ドメインの人気に影響を及ぼす要因
ドメインの人気アップに影響する要素には以下のようなものがあります。
- SNSの動向:SNS上で話題になれば、にわかに注目を集めます。シェアできるコンテンツや関連画像のミームなどはトラフィックの増加につながります。ただ、SNSの影響は一時的である傾向にあります。
- 世界の動き:ニュース速報や国際情勢の変化はドメインへのアクセス方法を大きく変える可能性があります。
- 大型連休:休暇シーズンが近づくにつれ、人気が上昇するドメインがあります。例えば、AmazonなどのECサイトは年末に向けてアクセスが急増します。
ドメイン名のトレンド
最も大きなトレンドは、新しいTLDが数多く登場していることです。特に、ユニークな記号を用いるTLDを活用する企業が増えてきています。最も人気のあるTLDは依然として「.com」ですが、2024年には「.xyz」「.online」「.shop」なども人気でした。
また、サブドメインもブランド戦略を進める上で重要な要素としてトレンドになってきています。既存のドメインに国や部門、特定のページなどを表す文字列を加えて使い分けることができるのが人気の理由です。例えば、Googleの「news.google.com」やHubspot(ハブスポット)の「blog.hubspot.com」などがあります。
2025年以降の人気ドメインの傾向
![2025年以降の人気ドメインの傾向](https://cdn.shopify.com/s/files/1/1958/6155/files/shopify_h2_25_82632a37-a0f3-4ea5-aa0a-f8c179bc0826.png?v=1738966017)
- モバイルでも使いやすいドメインが有利:2024年はウェブサイトへの全アクセスの59.7%はモバイル端末からのものでした。ユーザーはあらゆるドメインにモバイル対応を期待しています。
- SEOを意識したドメイン名は効果薄:Googleのジョン・ミューラー氏は、SEOキーワードをドメインの名称に含めれば検索上位にくるということはもはやないと指摘しています。キーワードだけのドメイン名にするとサイトの信頼性が損なわれ、検索ランキングにも悪影響を及ぼす可能性があります。2025年はブランドがURLとして使いやすく、長く使え、そして目を引くものが増えそうです。
まとめ
新たなビジネスをスタートさせるにあたってドメインの取得や運用を考えている方は、この記事のランキングを参考にしつつ、最新のトレンドにも留意して見つけられやすいドメインやURLを作ってください。
よくある質問
.com、.edu、.govの違いは?
「.com」は商用、「.edu」は教育機関用、「.gov」はアメリカの政府組織のためのものです。トップレベルドメイン(TLD)はそれぞれ同じように機能しますが、この3つのようにドメインの用途や事業所在国などを示すものがあります。
ドメイン名の選び方は?
ドメイン名を選ぶときは、ブランドイメージを反映し覚えやすいものを選ぶことが重要です。希望のドメイン名が使えるとは限らないため、複数候補を用意し、利用可能かどうか、取得費用や更新料なども調べましょう。
文:Nariko