ドメインを取得する方法を、ドメインの基礎知識とドメインを決める手順などと一緒に紹介しています。
ドメインとは?

ドメインとは、インターネット上の住所のような役割を果たし、ウェブサイトがどこにあるかを判別する情報として利用されるURLの一部です。
インターネット上の住所は、IPアドレスと呼ばれる「000.00.000.0」といった数字の識別番号で表されています。それを人にとって、わかりやすい文字列にしたものが「ドメイン名」です。
ウェブサイトを訪問するためにはURLが必要です。たとえば、URLが「https://www.abcde.com/」であれば、ドメイン名は、「abcde.com」です。また、ドメイン名は「xxx@abcde.com」などのようにメールアドレスにも使用することができます。ドメイン名は世界中で唯一無二のものでなくてはならないため、すでに世界の誰かが利用しているドメインを取得することはできません。
ドメインの構成

ドメインは、主にトップレベルドメイン(TLD)、セカンドレベルドメイン(2LD)、サードレベルドメイン(3LD、サブドメイン)という3つの要素で構成されています。
SEOにおいて重要なのはセカンドレベルドメインです。ターゲットとなるキーワードを含む覚えやすい名前を使用することで、SEO効果を高めることができます。トップレベルドメインとセカンドレベルドメインの組み合わせも考慮しながらドメイン名を決めましょう。
- トップレベルドメイン(TLD):「.com」や「.jp」などのドメイン名の末尾部分
- セカンドレベルドメイン(2LD):「.com」や「.jp」の直前部分(ウェブサイトの名前部分)
- サードレベルドメイン(3LD、サブドメイン):すべてのURLに存在するわけではなく、特定のウェブサイト内のセクションやサービスを示すために使用される
ドメインの種類

トップレベルドメイン(TLD)
- gTLD(generic Top-Level Domain):「.com」、「.net」、「.org」など、一般的な用途で誰でも取得できるドメインです。「.com」は最も多く使用され、認知度、信頼性が高いとされています。
- ngTLD(new generic Top-Level Domain:新gTLD):「shop」、「.xyz」、「.tokyo」など、2012年以降追加された新しいドメインです。gTDLと比較して、より具体的な業種や地域を表すことができるため、ブランドイメージの確立に役立ちます。後発のドメインのため、「.com」や「.net」などでは取得困難な文字列でも登録できる可能性があります。
- ccTLD(country code Top-Level Domain:国別トップレベルドメイン):「.jp」、「.cn」、「.uk」など、国や地域を表すドメインです。該当する国や地域にドメイン登録主の住所があることが条件で、特定の地域をターゲットとするウェブサイトに適しています。日本では「.jp」が利用できます。漢字やひらがななどを用いた日本語ドメイン名も登録できます。
セカンドレベルドメイン(2LD)
セカンドレベルドメインとは、トップレベルドメインの直前の部分です。たとえば、「abcd.com」では「abcd」がセカンドレベルドメインです。セカンドレベルドメインには任意の文字列を自由に使用でき、種類としては、以下のようなものが挙げられます。
属性型・都道府県型JPドメイン
日本のトップレベルドメイン「.jp」に各組織の特性を表すセカンドレベルドメインを合わせたものです。
- 属性型JPドメイン:「.co.jp」(日本法人の企業)、「.or.jp」(一般社団法人)、「.ne.jp」(ネットワークサービスを提供する組織)などがあります。原則として、1組織につき1つのドメインしか取得できません。JPRS(日本レジストリサービス)が管理し、定期的に調査を行っています。登録資格を満たさないと判断された場合、ドメイン名は抹消されることがあります。
- 都道府県型JPドメイン名:特定の都道府県名を含んだドメイン名のことです。日本に住所があれば個人でも組織でも登録できます。登録数に制限はなく、1人で複数のドメインも取得可能です。具体例として、「○○○.aomori.jp」、「○○○.東京.jp」のようなものが挙げられます。
日本語ドメイン
日本語ドメインとは、URLに漢字、ひらがな、カタカナなどの日本語を使用したドメイン名のことです。たとえば、「商品名.jp」といった形式で、社名や商品名をそのままドメイン名として登録することにより、ユーザーを直接ウェブサイトに誘導しやすくなります。
- メリット:多くの日本人にとって、漢字やひらがな、カタカナで表記されたドメイン名は視覚的に理解しやすく、覚えやすいという利点があります。検索結果一覧やリンク先として表示された際に、日本語ドメインは瞬時に目に飛び込んでくるため、この視認性の高さはクリック率の向上にもつながる可能性が高くなります。具体例として、「為末大.jp」、「http://ローソン.jp/」などが挙げられます。
- デメリット:日本語ドメインはPunycode(ピュニコード)と呼ばれる英数字とハイフンの組み合わせに変換されます。このためブラウザの検索窓以外では、「https://xn--wgv71a119e.com/」のように表示され、長くなるため、不自然に見え、スパムや怪しいサイトに間違えられるリスクがあります。かつて日本語ドメインは「SEOに強い」と期待されていましたが、SEOへの効果は明確ではありません。
サードレベルドメイン(3LD、サブドメイン)
サードレベルドメインとは、通常はセカンドレベルドメインの前に追加される任意の文字列のことです。特定のサービスやコンテンツを分けて管理できるため、企業のブランドイメージを維持しつつ、異なるサービスを提供することができます。
たとえば、「blog.abcd.com」、「shop.abcd.com」のサードレベルドメインは「blog」、「shop」です。さらに、「main.shop.abcd.com」のようにレベルを増やすこともできます。サードレベルドメインを利用することで、新たなドメインを取得することなくサービスやコンテンツが整理しやすくなります。各サービスに特化したドメイン名を使用することで、ユーザーが目的のサービスにアクセスしやすくなります。
具体例として、楽天では、楽天トラベルを「travel.rakuten.co.jp」、楽天ブックスを「books.rakuten.co.jp」と設定しています。
ドメインを取得する方法:12のステップ

1. ドメイン名を決める
ドメイン名の決め方は非常に重要です。ドメイン名は一度取得すると、取り消しや変更ができません。ドメインは長期間使用することになるため、慎重に考えましょう。ドメイン名は、ブランドイメージを反映する「看板」の役割を果たすものだと考え、視覚的にも印象に残るドメイン名を考えましょう。
2. 短く、響きが良く、覚えやすいドメイン名にする
セカンドレベルドメインは、ブランドイメージの構築やSEO対策において重要な部分です。セカンドレベルドメイン名を決める際は短く、響きが良く、覚えやすいものにしましょう。ハイフンや数字は、視覚的には区別がつきやすいものの、口頭での伝達時に混乱を招きやすいため、可能な限り避けることをおすすめします。また、人気ドメインランキングのトップ10に入ったドメイン名のほとんどは2音節の単語であることも知っておきましょう。
3. 提供するサービスや商品に関連するドメイン名にする
ビジネスを展開する上で、サービスや商品と密接に関連したドメイン名を選ぶことは重要です。会社名そのものをドメイン名として使用するのが理想ですが、すでに取得されている場合は、提供するサービスや商品の特徴を反映したドメイン名を選択することで、ブランド認知度を高めるチャンスにもなります。将来的に扱う商品の範囲を拡大したり、ビジネスの方向を転換したりする可能性があるなら、そのことも考慮したうえで、長く使用できるドメイン名を選びましょう。
4. 商標侵害のリスクを回避する
商標検索ツールを使用して、登録しようとしているドメイン名が既に商標として登録されていないかどうか確認しましょう。他の会社名、商品名、サービス名などをドメイン名として登録、使用すると、商標権の侵害とみなされ、登録したドメイン名を失うことにもなりかねませんので注意が必要です。
国内の商標登録状況を確認する場合はJ-PlatPat(日本の特許庁が提供)やToreru、海外も含めて確認する場合は、WIPO(世界知的所有権機関)などを活用しましょう。同一商標だけでなく、類似商標も検索することでリスクを軽減できます。いずれも無料で利用できます。
5. トップレベルドメインを選ぶ
可能であれば、最も一般的で信頼性が高い「.com」を選ぶことをおすすめします。希望するドメイン名と「.com」の組み合わせがすでに使用されている場合は、「.net」などを検討するのも一つの方法です。また、代替案として、業種に特化した特殊なトップレベルドメインを検討するという選択肢もあります。例えば、ヨガスタジオを運営している場合は「.yoga」、テニスレッスンを提供している場合は「.tennis」とすることでサービスの特徴をより明確に示すことができます。なお、トップレベルドメインの種類はSEOに直接的な影響はありません。
6. ドメイン名の可用性をチェックする
すでに誰かに使用されているドメイン名や、既存のものと酷似したドメイン名は使用できません。希望のドメインの可用性はドメイン名検索ツールを利用してチェックできます。アカウントの有無にかかわらず、Shopifyの検索ツールや各ドメイン取得サービスの公式サイトで確認できます。
7. ドメイン名に追加する単語を考える
希望するドメイン名がすでに取得されている場合、短い単語を追加して独自性のあるドメイン名を考えてみましょう。例えば、「sakura.com」というドメインが取得できない場合、「tokyo」「shop」「official」のように地域名や業態を表す言葉を加えて、「sakurashop.com」などのようにすることで、事業の特徴をより明確に表現できます。「my」「the」「get」などの短い英単語を組み合わせるのも有効な方法です。
8. WHOIS(フーイズ)でドメインの所有者と交渉する
希望するドメイン名がすでに使用されている場合でも、まだ取得できる可能性はあります。WHOIS情報を利用して現在の所有者に連絡を取り、譲渡してもらえないか交渉してみましょう。
WHOISとは、インターネット上のドメイン名登録者やIPアドレスの所有者情報を検索するためのデータベースのことです。このデータベースでは、ドメインブローカー、現在の所有者、IPアドレス、場合によっては連絡先情報などの重要な情報が見つかります。ドメイン名の所有者を確認するには、ShopifyのWHOIS検索ツールにアクセスして調べることができます。ただし、最近は個人情報保護のため、所有者情報を非公開にしているケースもあります。
9. ドメイン名ジェネレーターを活用する
適切なドメインが思いつかない場合は、ドメイン名ジェネレーターの活用がおすすめです。これは、入力したキーワードを基に、現在取得可能なドメイン名の候補を自動生成するツールです。さまざまな組み合わせの候補が表示されるので、ドメイン名を決める参考になります。
10. ドメイン取得サービスを選ぶ
ドメイン名が決まったら、コスト、サポート、追加機能を考慮して、最適なドメイン取得サービスを選びます。多くのドメイン取得サービスのサイトでは、ドメイン名の可用性をチェックした後、申し込み画面に進めるようになっています。ドメインの取得・維持にかかる費用は「取得費用」と「更新費用」があり、ドメイン取得サービスによって料金は異なります。取得料金が0円でも、更新料が他社より高い場合があります。
11. 購入手続きをする
登録者の氏名、住所、電子メールアドレス、電話番号などの個人情報や支払い情報を入力して登録します。すべての情報は正確かつ最新のものである必要があります。誤った情報が登録されてしまうと、後々のトラブルの原因となる場合があります。登録後、登録確認のメールが届きます。登録後に問題が発生した場合に備え、電話、メール、チャットなどのサポート体制も確認しておきましょう。
12. ネームサーバー(DNSサーバー)を設定する
ドメインを使用するためには、人が理解しやすいドメイン名を、コンピューターが認識できる数字のIPアドレスに変換するために、ドメインとネームサーバー(DNSサーバー)を紐づける「DNS設定」が必要です。ドメイン取得サービスとサーバーが同じ会社のサービスを利用している場合、DNS設定が自動的に、または非常に簡単に行えます。複雑な設定作業を省略できるため、初心者でも比較的スムーズにウェブサイトを立ち上げることが可能です。
まとめ
ドメインとは、インターネット上の住所のようなもので、ブランドイメージの構築やSEO対策にも欠かせない要素です。ドメイン取得は、ウェブサイト立ち上げの重要な第一歩です。取得過程では、自分のブランドや事業に最適なドメイン名を選び、信頼できるドメイン取得サービスを選定することが大切です。選定の際は取得費用、更新費用などを慎重に確認しましょう。
ドメインの取得は、ユーザーに対して、プロフェッショナルで信頼性の高いイメージを提供できるだけでなく、SEO対策としても効果的です。検索エンジンでの評価向上が期待できるため、集客にも貢献します。
ドメインに関するよくある質問
ドメインを取得すればホームページやブログが開設できる?
ドメインを取得するだけでは、ホームページやブログは開設できません。サーバーの契約が必要です。
Shopifyでドメインは取得できる?
Shopifyでもドメイン取得サービスを扱っています。特に、ECサイトをオープンする予定の方にとっては、サイト管理とドメイン管理を一括でできるというメリットがあります。Eメール機能やサポート機能も充実しているため、ECサイト管理をShopifyで一元化でき、スムーズな管理が実現します。
文:Asami Miyamoto