キャッシュレス決済を利用する人は年々増加しており、クレジット決済だけでなく、モバイル決済やQRコードなど支払い方法も多様化しています。
クレジット端末機(CAT端末)の導入を考えている人の中には、「クレジット端末機にはどんな種類があるの?」「どうやって導入したら良いの?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、おすすめのクレジット端末機を比較、紹介しながら、導入する際のポイントや注意点について詳しく解説します。
CAT端末とは
CAT端末は、Credit Authorization Terminal(信用照会端末)の略で、いわゆるクレジット端末機のことです。クレジットカードの有効性を確認し、決済処理を行います。
店舗などでクレジットカード決済を行うと、CAT端末を介してカード会社に情報が送信されます。そこでカードの有効期限が切れていないか、使用限度額に達していないかなど、カードの有効性が審査され、問題がなければ決済処理が行われます。
クレジット端末機の種類
クレジット端末機には大きく分けて「モバイル型(ポータブル型)」と「据え置き型」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
モバイル型(ポータブル型)
モバイル型(ポータブル型)とは、通信はWi-Fiや4G回線といった無線を使い、コードレスで持ち運びができるタイプのクレジット端末です。
アプリをインストールしたiPadやiPhone、スマホ、タブレットなどと連携させて利用するもののほか、最近はデバイスを個別に準備しなくても決済を行えるマルチ決済端末も広く使用されています。端末を持ち運べるので、店舗だけでなく移動型店舗やイベントなどにも便利です。
ただし、コンパクトゆえにレシートプリンターが内蔵されていない端末もあります。
据え置き型
据え置き型は、レジカウンターなどに設置して使用するタイプのクレジット端末で、主に飲食店や小売店舗などで利用されています。レシートプリンターはレジや端末に内蔵されている場合も多いため、別途機器を追加する必要はありません。
通信には有線のLANケーブルやWi-Fiを使用するため安定しており、セキュリティ面での安心を特徴としている機種も多いですが、モバイル型と違い基本的に持ち運びはできません。
おすすめのクレジット端末機10選
1. Square(スクエア)ターミナル
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:端末代39,980円(税込)
※または ¥3,332 /月の12 回払い
※30日間の無料返品あり
- 月額費用:0円
- 決済手数料:3.25%~3.75%
- 入金サイクル:最短翌営業日(みずほ銀行、三井住友銀行)
※他銀行は毎週金曜日
- 対応決済方法:クレジットカード、デビットカード、電子マネー、PayPay
- 導入日数目安:数日
Square(スクエア)ターミナルは、クレジットカードはもちろん、デビットカード、電子マネー、タッチ決済、PayPay、暗証番号入力にも対応しているオールインワンの決済端末です。さらに、プリンターが内蔵されており、レシートの発行も可能です。みずほ銀行や三井住友銀行を利用すれば、売上入金は最短で翌営業日に反映され、振込手数料は無料です。
2. AirPay(エアペイ)
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:端末代0円
- 月額費用:0円
- 決済手数料:3.24%
- 入金サイクル:月6回または月3回
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー、スマホ決済、ポイント利用
- 導入日数目安:2週間程度
AirPay(エアペイ)は、アプリをインストールしたiPadやiPhoneと、カードリーダーを使用してキャッシュレス決済を行えるサービスです。手元にiPadやiPhoneがあれば特別な機器を用意する必要はなく、カードリーダーの端末代も無料のため、コストを抑えて手軽に導入可能です。また、同じく0円で利用できるPOSシステムを搭載したレジアプリの「Airレジ」と合わせて使用することで、会計から売上管理まで、お店に必要なレジ業務をすべて端末上で行えます。
3. STORES決済
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:端末代19,800円(税込)
※条件達成で0円
- 月額費用:0円
- 決済手数料:1,98%〜3.24%
- 入金サイクル:【自動決済】月末締め、翌月20日入金
※20日が土日祝の場合は翌営業日
【手動決済】1〜2営業日
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー、QRコード
- 導入日数目安:最短3営業日
STORES決済は、手もちのスマホやタブレットにアプリをインストールして使用する決済サービスです。端末代金が19,800円ですが、申し込み完了日から180日以内に売上合計10万円という条件を達成すると、端末代が無料になります。また、STORESレジやスマレジ、ユビレジなど他のPOSシステムともかんたんに連携でき、会計や売上管理業務を効率化することも可能です。電子マネーの決済手数料が1.98%と業界最安水準なので、電子マネーの使用が多い店舗には特におすすめです。
4. スマレジ・PAYGATE(ペイゲート)
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:端末代30,800円(税込)
※キャンペーン期間中0円
- 月額費用:3,300円(税込)
- 決済手数料:2.0%~3.24%
- 入金サイクル:【クレジット/電子マネー売上】月2回
【QRコード決済売上】月1回
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー、QRコード
- 導入日数目安:約2週間程度
スマレジ・PAYGATE(ペイゲート)は、クレジットカード決済、電子マネー、QRコード決済を1台で行えるマルチ決済端末です。プリンターも内蔵しているので、オプション品を用意する必要がなく、レジ周りがスッキリします。電話窓口でのサポートも行われているので、初めての人でも安心して導入可能です。通常は端末代金30,800円(税込)ですが、今なら端末無料でさらに手数料がお得になるキャンペーン中です。
5. 楽天ペイ
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:端末代19,800円(税込)
※キャンペーン期間中条件を満たすと0円
- 月額費用:0円
- 決済手数料:2.95%~3.24%
- 入金サイクル:【楽天銀行】365日翌日自動入金
【その他銀行】毎月2回
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー、QRコード
- 導入日数目安:1〜2週間程度
楽天ペイは楽天グループが提供する決済サービスで、振込口座が楽天銀行であれば、振込手数料が無料、さらに祝日・休日問わず365日翌日自動入金が可能です。中国を中心に月間10億人以上が利用する「WeChat Pay」などの海外の決済サービスにも対応しており、インバウンド対策としても効果的です。
6. stera pack(ステラパック)
- タイプ:据え置き型
- 導入費用:端末代0円
- 月額費用:お試しプラン 0円
スタンダードプラン 3,300円(税込)
- 決済手数料:お試しプラン 3.24%
スタンダードプラン 2.7%か3.24%
- 入金サイクル:月6回または2回
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー、QRコード
- 導入日数目安:約1.5ヵ月
※導入審査で2週間~2カ月かかる場合あり
stera pack(ステラパック)は30種類以上のキャッシュレス決済に対応した決済端末です。
直感的な操作で誰でも簡単に使えて、電子サイン対応や自動音声、レシートプリンタ内蔵など機能も充実しています。お店の規模などによって選べる2つのプランがあり、お試しプランでは1年間固定費0円で利用可能です。スタンダードプランでは月額3,300円(税込)かかりますが、VisaカードとMastercardカードを2.7%の決済手数料で利用できます。なお、お試しプランは13カ月目以降から自動的にスタンダードプランへ移行します。
7. USEN PAY(ユーセン・ペイ)
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:端末代 0円
※USEN PAY ENTRYは20,000円、キャンペーンで0円(条件あり)
- 月額費用:1,980円/台
- 決済手数料:2.99%~3.24%
- 入金サイクル:【クレジットカード】月2回
【電子マネー】月1回
※翌日入金サービスあり(カード、交通系電子マネー)
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー、QRコード
- 導入日数目安:最短10営業日
USEN PAY(ユーセン・ペイ)は、クレジットカードや電子マネー、QRコードなど合計71ブランドに対応した決済端末です。24時間対応の電話窓口や、株式会社USENの全国約140カ所の拠点からオンサイトでのサポートも提供されます。また、端末はレンタルのため、通常利用で故障が起きたときに無償で交換してもらえるので安心です。シリーズ製品として、据え置き型でPOSレジ連動型の「USEN PAY ENTRY」や、QRコード決済のみの「USEN PAY QR」があるので、予算や店舗の規模によって最適なサービスを選択できる環境が整っています。
8. iRITSpay決済ターミナル(アイ・リッツペイ)
- タイプ:据置き型/モバイル型
- 導入費用:要問合せ
- 決済手数料:要問合せ
- 入金サイクル:要問合せ
- 対応決済方法:クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード
- 導入日数目安:要問合せ
iRITSpay(アイ・リッツペイ)決済ターミナルは、1975年に日本初のオンラインPOSシステムを開発した株式会社アイティフォーが提供するマルチ決済端末です。店頭販売業務を熟知している同社が、スタッフに負担なくスムーズに処理できるよう配慮した操作性が特徴です。また、据え置き型やモバイル型のほか、無人販売用組込型端末など、豊富なバリエーションが用意されています。さらに、中国系決済の銀聯(ぎんれん)カードやアリペイ、WeChat Payなど、海外の決済手段にも対応しているので、外国人観光客にも対応することができます。
9. Times PAY(タイムズペイ)
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:決済機器3点 38,000円(税込)
※タブレットはレンタルのため解約時は要返却
※キャッシュバックキャンペーンで導入費用実質0円(条件あり)
- 決済手数料:3.24% ※業種によって変更あり
- 入金サイクル:2回
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー
- 導入日数目安:最短1ヶ月
タイムズペイは、駐車場サービスのタイムズが提供するクレジット決済サービスです。カードリーダーやプリンタ、専用アプリがインストールされたタブレットなどの必要機器がセットになっているため、他に機器を用意するといった手間がかかりません。動画マニュアルや電話サポートも充実しているので、初めて導入する人も安心して利用できるでしょう。さらに、カーシェアの加盟店特典など、魅力的な特典も用意されています。
10. アルファポータブル
- タイプ:モバイル型
- 導入費用:端末代:0円〜(プランによる)、月額費用:0円〜(プランによる)
- 決済手数料:3.24%〜(業種や取扱い商材によって変動)
- 入金サイクル:要問合せ
- 対応決済方法:クレジットカード、電子マネー、QRコード
- 導入日数目安:最短2日
アルファポータブルは、クレジットカードのほか、国内外の各種QRコードや電子マネー、スマホ決済など、あらゆる決済手段に一台で対応しています。レシートプリンターも内蔵しているので、別途プリンターを用意する必要はありません。また、幅広い世代が使えるように直感的に操作できるデザインを採用しています。同端末上の管理画面から決済取り消しも行えるので、ミスがあった際も顧客を待たせることなく迅速に対応可能です。
クレジット端末機を導入するメリット
会計時間の短縮
クレジット端末機を導入することで現金を取り扱う手間や時間を省けるため、レジや会計業務の時間を短縮できます。顧客の回転率が高くレジ対応で多くの時間を割くお店や、会計以外の窓口対応が忙しい事業者などは、クレジット端末機の導入で業務改善されるでしょう。
売り上げ管理の効率化
当日の売上確認や月間売り上げの集計を端末の合計数値からそのまま行えるので、レシートの計算がなくなり売り上げ管理を効率化できます。また、マネーフォワードなどの会計ソフトとの連携が可能な端末もあり、そのままデータを確定申告などに使用できます。端末上で管理できるので、手作業でのケアレスミスも防止でき、効率的に売り上げが管理できるようになるでしょう。
顧客層を拡大して売上向上
クレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応することで取り込める顧客層を増やし、売上向上に繋げることができます。各キャッシュレス決済の対応店舗一覧に掲載されるので、顧客の目に留まる機会が自然と増えていくでしょう。また、海外ではTap to Payが主流なので、現金払いを避ける外国人観光客を取り込むこともできます。支払い方法が増えることで顧客のサービス利用の機会を増やし、売上アップに繋げることが可能です。
クレジット端末機導入時のポイント
導入コスト
月間の売り上げと端末本体の代金や月額使用料、決済手数料などのコストを計算し、クレジット端末機を導入するメリットがあるのか確認をしましょう。
それぞれのおおよその費用相場は以下の通りです。
- 端末代金:1〜5万円程度
- 月額使用料:3,000~8,000円程度
- 決済手数料:3~5%程度(業種により異なる)
クレジット端末の導入コストを抑えたい場合、自前のスマホやタブレットに専用アプリを入れて使用するタイプや、端末代金や月額使用料が0円のものを使用しましょう。モバイル型のクレジット端末は据え置き型に比べ安価に済むことが多いので、コストを抑えながら導入できるためおすすめです。
サポート体制
初期設定時やトラブル時のサポート体制が充実しているかどうかも重要な判断ポイントです。トラブルが起こった際にしっかりとしたサポートが受けられないと、問題が迅速に解決できず、業務に支障が出たり利用客にも迷惑がかかってしまいます。24時間365日体制の電話サポートなど、手厚いサポート体制があるかを確認しましょう。
対応している決済方法
顧客の取りこぼしを防ぐため、クレジット端末がどのような決済方法に対応しているかも確認しておきましょう。来店する利用者のニーズを把握したうえで、クレジットカードやQRコード決済など、導入したい決済方法がある端末を選びましょう。
使いやすさ
操作性が業務の効率化に繋がるため、クレジット端末機は使いやすさも重要な要素です。複雑な操作が必要な端末を使用すると操作ミスが生じたり、不必要な手続きが発生して会計業務の効率が低下してしまいます。払い戻しやバーコードスキャンの方法など、端末ごとに使い勝手が異なるため、自分のお店に合った使いやすい端末を選ぶことが大切です。
決済手数料
クレジット決済端末を導入すると決済手数料が発生し純利益が下がるため、売り上げと手数料を天秤にかけて、導入しても問題ないか事前に確認しておきましょう。決済手数料は3%〜5%程度が相場とされていますが、業種や契約する企業、決済サービスによっても異なるため、複数社を比較して自社に合った会社を選びましょう。
入金のサイクル
店舗の資金運用に直結するため、契約する前にクレジット端末機の入金サイクルを把握しておきましょう。口座にお金が入るまでの期間が長くなると、予算の調整や資金繰りの計画が必要になります。特に小規模店舗の場合は、キャッシュフローの安定のために入金サイクルが短いものが望ましいでしょう。中には一定の条件で入金サイクルが翌日という決済サービスもあるため、自社のニーズに合ったサービスを選択することが大切です。
契約形態
クレジットカード会社との直接契約か代行会社を通した契約かによって手数料に差が出てくるので、契約形態の確認も忘れてはいけません。直接契約は仲介手数料が差し引かれないというメリットがありますが、各カード会社との契約や手続きを個別に行わなくてはならず、手間と時間がかかってしまいます。
決済代行会社との契約の場合、複数のカードブランドや決済方法を1つの会社と契約するだけで利用でき、手続きや管理負担を軽減することができます。一方で直接契約と比べると諸費用がかさむ点がデメリットと言えるでしょう。それぞれの特徴を理解し、自分のお店に合った契約形態を選びましょう。
クレジット端末機の導入の流れ
クレジット端末機のおおよその導入の流れは以下の通りです。ただし、細かな導入の流れは各社のウェブサイトをご確認ください。
- 提供サービスに合うクレジット端末機の選定
- ウェブサイトから申請方法を確認して申込み
- 加盟店審査に必要な書類を準備する
- 加盟店審査
- 審査通過後に契約
- 端末を受け取って利用開始
加盟店審査には、登記簿謄本のコピー、印鑑証明書、販売許可証など、信頼性を示すための書類の準備が必要です。利用開始まで余裕のあるスケジュールを設定し、抜け漏れがないように準備しましょう。また、数日で完了する場合もあれば、長いものでは2カ月程度かかる場合や、二次審査まで行われる場合もあります。なるべくはやく営業開始したい場合は、端末の準備期間はキャッシュレス決済を利用できないことを前提に、現金を多めに準備しておくと安心です。
まとめ
CAT端末には決済代行サービスと組み合わさっているものも多く、Shopifyペイメントを導入する場合と同様、クレジットカードやQRコード決済などのブランドと個別に契約する必要はなく、手軽にキャッシュレス決済をスタートすることができます。ただし端末選びには、導入コストだけではなく、決済手数料や使いやすさ、サポート体制も確認しておくことが大切です。ビジネスに合ったキャッシュレス決済を導入できれば、顧客の購入機会を増やして売り上げ増加が見込めるでしょう。この記事がCAT端末選びの一助となれば幸いです。
クレジット端末機に関するよくある質問
クレジット端末機とは?
クレジット端末機は、クレジットカードやQRコード決済などの処理を行うための端末です。近年は、レジがなくても利用できるものも数多く提供されており、手軽にキャッシュレス決済を導入できるようになっています。
クレジット端末を無料で導入することは可能?
クレジット端末の中には端末代金や月額使用料が0円のものもあり、費用をかけずに導入することもできます。ただし、0円になる条件が必要な場合もあるので、よく確認してから導入しましょう。
CAT端末とは
CAT端末は、Credit Authorization Terminal(信用照会端末)の略で、いわゆるクレジット端末機のことです。
CAT端末とCCT端末の違いは?
厳密にはCAT端末とCCT端末(Credit Center Terminal)で、クレジットカードの有効性を確認する際にデータセンターと接続する規格が異なっています。日本独自規格のCATに対して、国際規格のCCTは後発だったため、日本においてはクレジットカード決済端末全般にCATという呼び方が定着しています。
文:Ryotetsu