自作ステッカー販売は、在宅で簡単に行える副業のひとつです。ステッカー自体は低価格で販売するものの、利益率が高いため儲かりやすいというメリットがあります。
本記事ではステッカーの作り方に加えて、ステッカーを自作する際に役立つアプリとサイトを紹介します。いずれも無料で使用できるため、気軽に使ってみましょう。自作ステッカーを販売する方法や主な販売サイトの特徴もまとめたので、ぜひ参考にしてください。
自作ステッカーの作り方:5つのステップ
1. ステッカーをデザインする
ステッカーのデザインでは、まずターゲット層の理解を深めて、デザインコンセプトを決定します。ターゲット層の興味関心のあるものや好む色、デザインを取り入れることが重要です。例えば、子供向けのデザインはカラフルで遊び心があるものが喜ばれますが、ビジネス向けの場合には、シンプルで洗練されたデザインが好まれる傾向があります。
また、ステッカーの最終的なサイズを考慮して、デザインを決めましょう。ステッカーは一般的にサイズが小さいため、細かすぎる要素は印刷時に見えづらくなることがあります。文字や画像を一目で認識できる、視覚的にシンプルなデザインを心がけましょう。明暗の差が大きい色を選ぶとステッカーが目立ち、遠くからでも注目を集めやすくなります。またテキストと背景色のコントラスト比が高いと、文字がはっきりと見え、読みやすくなります。
ステッカーは形状にこだわることも大切です。一般的な長方形や円形だけでなく、デザインに合った自由な形状を採用することで、より印象に残る作品になるでしょう。
2. ソフトウェアを使用してステッカーを作成する
ステッカーのデザインは、スマートフォンやパソコンのアプリ・ソフトを使用して行うのが一般的です。パソコンでは細部の調整がしやすく、スマートフォンなら直感的な操作ですばやくデザインできます。手描きの場合はスキャナーでデザインを取り込み、デジタルでデコレーションや文字を加えて、オリジナリティのあるステッカーに仕上げることも可能です。
ステッカー作成におすすめのデザインソフトウェアを5つご紹介します。
1.Canva(キャンバ)
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Canvaはオーストラリア発のデザインアプリで、61万点のテンプレートと1億を超える素材が用意されています。SNS投稿やポスター、企画書など幅広いデザインに対応しているのが強みです。パソコンやスマホはもちろん、タブレットでも利用できます。
Canvaの作業画面はシンプルで直感的に操作できるので、デザイン経験の乏しい初心者でもプロ顔負けの作品を作ることができます。ステッカーの作成もテンプレートを選んでカスタマイズするだけで簡単にでき、必要に応じて印刷サービスへの直接注文も可能です。AIを活用したデザイン機能もあり、ロゴや画像、テキストからステッカーのデザインを生成できます。
2.PicsArt(ピクスアート)
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PicsArtは、パソコンとスマホの両方で使える画像編集アプリです。背景削除などの基本的な編集に加えて、テンプレートも豊富に揃っているので、誰でも簡単にデザインを作成できます。コミュニティに参加して、他のユーザーの作品作りを学んだり、自分のスキルを向上させたりすることも可能です。AIを活用した画像編集や背景削除、新しい背景生成などが可能で、デザイン初心者も安心して利用できます。
3.ラベル屋さん
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ラベル屋さんは、30年以上の実績のあるデザインソフトで、5,000以上のデザインテンプレートが準備されているのが特徴です。ウェブ版はインストールやアップデートする必要がなく、ホームページからすぐに使用できます。
最新のモバイルアプリでは、AR機能も利用可能で、ステッカーを実際に貼り付けた様子を画面上で確認することもできます。わかりやすいマニュアルも用意されているので、初心者でも迷うことなくステッカーを作成できます。
4.コンビニシール倶楽部
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コンビニシール倶楽部は、ステッカーの自作が可能なスマートフォン専用アプリです。ホームページでアプリを活用した自作ステッカーの作り方や、コンビニでの印刷方法がわかりやすく解説されています。
直接撮影した写真や保存してある画像を使ってステッカーを作成でき、テキストやデコレーションを追加することも可能です。スマートフォンアプリなので、慣れていなくても操作しやすく、画像のアップロードからサイズ調整、テキスト追加まで簡単にできます。
完成したステッカーは、アプリからプリントアウト番号を取得し、対応しているコンビニのマルチコピー機で印刷できます。
5.AdobeExpress(アドビエクスプレス)
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AdobeExpressは、さまざまな用途に合わせた豊富なテンプレートとわかりやすい操作性が特徴で、オリジナルステッカーをわずか数分で作成できます。完成したデザインは、自宅のプリンターで簡単に印刷できます。
さらに、AdobeExpressではAIを活用したステッカー販売も可能です。求めている画像のイメージを日本語で説明することで、ステッカーの元になる画像を生成できます。
デザイン作成に自信がない場合は、ココナラやSKIMA(スキマ)、クラウドワークスなどのプラットフォームで依頼するのも選択肢のひとつです。
3. ステッカーの仕上げを選択する
ステッカー作成において重要なポイントとなるステッカーの仕上げには、さまざまな種類があります。
- 和紙:ツヤがなく、和の印象や高級感を出したいときに活躍
- 上質紙:光沢がなく、ザラザラした手触りが特徴
- 蛍光紙:色彩が強く、目立ちやすい
- サテン:質感が布地のようで柔軟性がある
- 不織布:毛羽立ちがあり、手触りや雰囲気が優しい
- アート紙:少し光沢があり、発色が鮮やか
- マット紙:光沢を抑えることで、細部まで鮮やかに印刷可能
- ペット紙:耐久性が強く、屋外や水気のある場所でも使用可能
- ホイル紙:ツヤの有無を選択でき、目立ちやすいのが特徴
- ホログラム紙:さまざまな模様があり、虹色に輝くのが特徴
- ミラーコート紙:光沢が強く、鮮やかに印刷可能
それぞれの特徴を押さえて、ステッカーの用途に合った仕上げを選ぶことが大切です。例えば、水気が多い場所でステッカーが使用されることが想定される場合は、水に強いペット用紙を選ぶとよいでしょう。
4. ステッカーを印刷する
デザインをプリントアウトする代表的な方法は、上記の3つです。
自宅のプリンターで印刷する
デザインが完成したら、プリンターで印刷しましょう。このとき、ステッカー用紙に印刷する前に、普通紙にプリントすることをおすすめします。そうすることで、デザインの見た目がパソコン上と実際の印刷物でどのように異なるかを確認し、必要に応じて調整できます。印刷物に問題がなければ、ステッカー用紙に印刷し、インクがしっかり乾くまで待ちましょう。
自宅のプリンターで印刷することで、費用を抑えたり、在庫を抱えずに必要な時に印刷できる反面、他の方法より作業時間が増えてしまうデメリットがあります。
専門の業者に委託して印刷する
業者に依頼すると、印刷にかかるコストは注文数に比例して安くなるため、一度に大量のステッカーを印刷したいときには特におすすめです。業者ごとに利用できるステッカー用紙や料金設定は異なるため、注文する前に確認しましょう。
ドロップシッピングを利用して印刷する
ドロップシッピングを利用すると、ステッカー販売に欠かせない印刷や梱包、発送などの業務が不要になり、在庫管理も不要になります。例えば、オリジナルプリントは、Shopifyとの連携が可能で、Shopifyで注文が入るたびに印刷と発送を代行してくれるので便利です。
ただし、委託する業務量が多い分、販売で得られる利益は減ってしまうことを理解しておきましょう。また、ステッカーがどのように印刷・梱包・発送されるかがわからない、というリスクもあります。そのため、販売を開始する前にサンプルを注文し、サービスに問題がないことを前もって確認することが重要です。
5. ステッカーを切り取る
ステッカーを印刷したら、用紙をカットします。数量が少なければ、はさみやカッターで問題ありませんが、販売数が増加するにつれて、手作業では大変になるかもしれません。
ステッカーのカットには、主にダイカットとハーフカットの2種類があります。
ダイカット
ダイカットは、ソフトウェアを使って設定した線に沿って、ステッカーをカットする方法です。台紙についたまま一緒に切り取ることができ、自由な形状にカットできるため、複雑な形のデザインにも適しています。
ハーフカット
台紙を残して、表面のステッカー部分のみ切り取る方法をハーフカット、またはキスカットと呼びます。ステッカーを剝がしても、台紙と縁が残ります。複数のデザインを含むステッカーシートを作成する際に使用される方法です。
ステッカーの販売方法4つ
自作ステッカーの売り方には、ネットショップを開設して販売する、ハンドメイド販売サイトやフリマサイトなどを通じて販売するなど、いくつかの方法があります。ステッカーを販売する時に利用できる主なサイトには、以下のようなものがあります。
Shopify
自分のネットショップで販売する場合は、Shopifyがおすすめです。手数料が安く、オリジナルのECサイトを簡単に開設できます。さらに、Shopifyはさまざまアプリと連携しているため、集客も難しくありません。無料体験も実施しているので、気軽に使ってみてください。
Etsy(エッツィー)
Etsyはハンドメイド製品を販売できるマーケットプレイスです。グローバル市場に対応しており、海外のユーザーにもステッカーを販売できます。
SUZURI(スズリ)
SUZURIは、画像をアップロードして、オリジナルグッズの作成から販売までできるサイトです。梱包や発送を代行してくれるドロップシッピングに対応しています。
メルカリ
フリマサイトのメルカリは、日本国内のユーザー数が多いという特徴があります。匿名での商品発送も可能で、個人情報の漏洩を気にすることなく、ステッカーを販売できます。
まとめ
自作ステッカー販売は、自宅で始められるビジネスモデルのひとつです。ステッカー1枚あたりの製造コストは数十円程度のため、利益率が90%を超えることもあります。無料のアプリやサイトを活用することで、手軽に魅力的なデザインのステッカーを作成することが可能です。
ステッカー販売は、イラストや絵を売るのにも適しています。自分の作品をステッカー化したり、ロゴやキャラクターを使って新しいデザインを作って販売したりできます。お金になる趣味として始めることができるため、趣味で起業する方法を探している人にとっても、挑戦しやすい選択肢のひとつです。
ステッカー販売に関するよくある質問
オリジナルステッカーを1枚から作成・注文できるサイトは?
上記サイトでは、オリジナルステッカーを1枚から作成・注文できます。各サイトのキャンペーンや料金を確認して、あなたに合ったサイトでオリジナルステッカーを準備しましょう。
自作ステッカーの販売価格の相場は?
ステッカーの販売価格はさまざまですが、一般的な相場は1枚あたり200円~1,000円程度です。
ステッカー販売は違法?
ステッカー販売は違法? ステッカー販売が違法となるのは、著作権や商標権を侵害した場合です。たとえば他者のロゴやキャラクターを無断で使用し、ステッカーとして販売する行為は違法になります。車のブランド名や人気ゲームのキャラクターを勝手にステッカー化して販売することも、商標法違反や著作権法違反にあたります。
ステッカー販売は儲かる?
オリジナルステッカーは1枚から販売できるうえに、利益率も高いため、儲かりやすい副業と言えます。製造コストは1枚あたり数十円で、価格設定によっては利益率が90%に達することもあります。
文:Masumi Murakami