Shopify(ショッピファイ)は、簡単にECサイトを開設できる、定期課金型のECプラットフォームです。Shopifyは、実店舗での販売管理をサポートするPOSサービスであるShopify POSも展開しています。
ここではShopifyとはどのようなサービスなのか、その機能やサービスをご紹介します。
Shopifyとは
Shopify(ショッピファイ)は、簡単にネットショップを開設できるEコマースプラットフォームです。Shopifyはウェブ制作の知識がないユーザーでも、簡単にネットショップが作れるよう、ECサイトのテンプレート、決済手段、ホスティングサービスをパッケージ化し、サブスクリプションサービスとして提供しています。Shopifyはカナダの会社で、日本以外でも170以上の国で利用されており、Shopifyを利用して開設されたショップは数百万を超えます。Shopifyのストアオーナーは、オンラインだけでなく実店舗でもShopify POSを使って販売ができます。
Shopifyプラットフォームの仕組み
Shopifyのプラットフォームは、ビジネスを行う上で必要となるツールを1つの場所に集約させています。ニーズに合わせてShopifyをカスタマイズすることが可能で、さまざまなビジネスツールへアクセスしやすい仕組みができています。
Shopifyでは、以下の3つの機能を個々のビジネスに合わせて組み合わせることで、最適なEコマースサイト構築が可能です。
- Shopifyの基本機能
基本機能とは、Shopifyのプランを申し込み後すぐに使える機能です。一般的なEコマースサイトに必要なものは揃っています。ショップの見た目を選べるテンプレートはさまざまな種類が用意されているほか、オンライン販売だけではなく対面販売でも役立つ販売情報管理システムのShopify POS、決済受け付け機能、SEOとマーケティングツールなど多岐に渡ります。これらの機能をベースとしてEコマースサイトを構築していきますが、ビジネスの形態に合わせて基本機能以外の機能やアプリを追加していくことも可能です。 - Shopifyの追加機能とサービス
個人ビジネスにはそれぞれ個性があり、ビジネスの成長とともにニーズも変わってきます。Shopifyはアップグレードサービスも提供しており、ビジネスモデルにあった追加機能やサービスを受けられます。例えば、Shop Payなどの決済オプションの追加や楽天市場のショッピングモールとの連携も可能です。 - 信頼できるパートナーによるアプリ
Shopifyアプリストアには7,000種以上のアプリがあり、Eコマースサイトをカスタマイズできる機能が見つかります。プログラミングやウェブ開発の知識・技術がなくとも、サイトに必要な機能を手軽に追加することができ、ビジネスチャンスを最大限に活かせます。世界で流行している最新の機能やマーケティング手法、SNSのネットワーク広告ツールなど、アプリストアを通してビジネスの成長に役立つ最先端のツールが見つかります。
Shopifyの基本機能
Shopifyの全プランに含まれる基本機能を使えば、すぐにビジネスを開始できます。
ストア機能
- オンラインストア
ShopifyのオンラインストアはECサイトに必要なサイト制作、ホスティング(サーバー上に情報をアップしサイトを閲覧できるようにする)、決済の全てができるサービスです。デザインやサイト制作の知識がない場合でも簡単にオンラインストアが作れるよう、テンプレートテーマが用意されています。自分のビジネスモデルに合ったショップのテーマをShopifyテーマストアで探し、カスタマイズすることで商品販売からブログ記事のアップロード、新規ページ作成などが可能です。また業界別のおすすめテーマ33選から自分のビジネスに合ったテーマを選ぶこともできます。テーマを利用すれば、制作会社を通してサイトを作成する、またはデザイナーやエンジニアに依頼する必要がないため、初期費用を抑えることにもつながります。またセキュリティやアップデートなどの管理もShopifyが行っているため、サイトのメンテナンスを気にすることなくストアの管理に集中ができます。レンタルサーバーを契約する必要もないため、素早くオンラインストアをオープンできます。 - 店舗販売管理用アプリPOS Lite(ポス・ライト)
Shopify POSは、Shopifyが提供する販売情報管理システム(POSシステム)です。Shopifyのどのプランを申し込んでも、Shopify POS LiteというPOSシステムを無料で利用できます。オンラインストアの商品管理や販売データ分析だけではなく、実店舗での対面販売の際の決済にも使用できます。Shopify管理画面からPOSチャネルをインストールし、その後お持ちのスマートフォンやタブレット端末にPOSアプリをインストールするだけで利用が開始可能です。
決済受け付け
- Shopifyペイメント
Shopifyペイメントは登録後、管理画面から有効化するだけですぐに決済の受け付けが可能で、申し込み後すぐに利用できます。VisaやMasterCardといったクレジットカードでの支払いからApple Pay、PaypalなどShopifyではさまざまな決済方法に対応しています。 - Shopifyチェックアウト
自社ストアでの販売だけではなく、Instagram等のSNSやECモールでの販売の際にShopifyチェックアウトが使用可能です。スピードやコンバーションにこだわり、スムーズにチェックアウトが行えるよう常に最適化されています。
配送パートナー(日本未対応)
日本では未対応ですが、自社に適した配送設定を組むことができます。Shopify Shippingが利用できるエリアでは、追跡や割引といったサービスも使用可能です。このほか、オンライン上で注文した商品を店舗の駐車場で受け取るカーブサイドピックアップや、ローカルデリバリーなどのオプションも設定できます。
バックオフィス
- モバイルアプリ
Shopifyモバイルアプリを使えば、スマホやタブレット端末から注文管理が可能です。バーコードスキャナーを使って注文や在庫把握ができるほか、パソコンと同じ業務をスマホやタブレットからできるため、移動中に売り上げの把握や発注といった作業も可能です。 - 分析とレポート
オンラインショップへの訪問者数や売り上げなど、ストアのアクティビティをリアルタイムで確認できます。またデータ分析の機能もあるため、集客レポートや行動レポートといったデータや、訪問者が商品検索のために使ったワードなども分析が可能です。 - Shopifyアプリストア
Shopifyアプリストアにはさまざまな拡張機能があるため、ネットショップやビジネスモデルに合った機能を追加できます。商品ページを簡単にカスタマイズできるアプリや言語翻訳アプリ、配送伝票作成アプリ、さらには定期購買ができるアプリなどもあります。 - サポート
何かあった時にも安心な日本語でのカスタマーサポートやShopifyコミュニティフォーラムなどがあります。
マーケティング
Shopifyのマーケティングプラットフォームは、集客・販売を強化するために必要なデータの分析が可能で、最適なアプローチ方法を見つけることができます。ブログを使ったコンテンツマーケティングの強化、SEOの活用、SNS広告などさまざまな手法を用いることが可能です。またマーケティングレポートを使えば長期的なビジネス戦略を立てるのにも役立ちます。Shopifyは役に立つブログ記事も充実しており、起業関連記事もマーケティング強化の参考にしてください。
Shopifyのオプションサービス
Shopifyにはプランを申し込んですぐに使える機能だけではなく、無料・有料のさまざまなオプションサービスもあります。販売から配送、マーケティング、オペレーションなど、ほとんどの機能はShopifyの管理画面からクリック一つで簡単に有効化できます。オンラインストアの管理画面と同じ場所で管理できるため、手軽に利用が可能です。また、自社ビジネスの変化に合わせて機能を追加したり削除したりとオプション管理も手軽で、一度だけのサービス利用もできます。
そこで、Shopifyのサイト運営者におすすめのオプションサービスを以下にまとめました。
Shop Pay(ショップペイ)
Shop Payは、Shopify上で素早く支払いができる決済方法です。メールアドレスやクレジットカード情報、配送住所そして請求情報を保存しておくことで、2回目以降商品を購入する時に素早く決済ができます。Shopifyの調査によると、Shop Pay経由での支払いは、注文完了率が他の支払い方法と比べて最大36%、平均で15%高いことがわかっています。
Shopify Marketplace Connect(ショッピファイ・マーケットプレイス・コネクト)
Shopify Marketplace Connectは、Shopifyで販売しているアイテムを他のマーケットプレイスやSNSで宣伝販売することができるアプリです。FacebookやInstagram、TikTokのほか、楽天市場やAmazonなどのECモールと同期させて販売チャンスを増やすことができます。Shopify Marketplace Connectを使用すれば、商品カタログをオンラインマーケットプレイスと同期して販売が可能となり、Shopifyのサイトから在庫管理や注文、パフォーマンス測定などが行えます。
Shopify Markets Pro(ショッピファイ・マーケッツ・プロ)
Shopify Markets Proは、日本国内だけではなく海外でも商品を販売する方におすすめです。海外での商品販売をする場合、配送や関税、配送先の国ごとに定められた商品の制限などがあります。Markets Proを使えば、これらの手続きに関する複雑さを軽減してくれます。
Shopify Collabs(ショッピファイ・コラブス)
Shopify Collabsは、インフルエンサーやクリエイターとのコラボレーションの申し込みや管理ができるアプリです。直接招待を送る方法の他に、Collabsネットワークを使ってクリエイターにオファーすることもできます。またギフトやクーポンコードを送信したり、アフィリエイトの売り上げの追跡をしたり、アフィリエイトの支払いなども可能です。
Shopifyメール
Shopify メールはShopify独自のメールマーケティングツールです。さまざまなメールテンプレートの中から、自社が提供するビジネスに合ったものを選ぶことで、売り上げをさらに伸ばすためのキャンペーンが行えます。商品や顧客情報などを管理するのと同じ場所でメールの効果を追跡することができ、個々のメールがどれだけ売り上げに貢献したかを把握できます。
Shopify Inbox(ショッピファイ・インボックス)
Shopify Inboxは無料のメッセージアプリです。購入者とのチャットでスムーズに問い合わせに返答できます。会話を商品販売につなげるため、メッセージの自動振り分けを利用して売り上げにつながる可能性が高い会話を見極めたり、チャットで独自のクーポンコードを提示して売り上げにつなげたりすることも可能です。
Shopify Inboxを使ってブランドとチャットした場合、コンバージョン率は70%高くなります。
POS Pro(ポス・プロ)
常設の実店舗をかまえているなら、無料版のShopify POS Liteから有料版のPOS Proにアップグレードするのが良いかもしれません。Shopify POS Proは、高度な在庫管理システムを備えています。注文書や入荷記録、在庫数のほか、在庫分析やセール商品の提案といった機能もあるためエラーの防止と収益増加にもつながります。ほかにも、無制限のストアスタッフアカウントを作成でき、販売をスタッフごとに分類するといったことも可能です。分析機能では、日別販売レポートが生成されるため、販売やスタッフのパフォーマンスを確認することができます。
Shopifyアプリストア
Shopifyアプリストアを利用すれば、運営するショップに必要な機能やテーマを追加できます。提供するビジネスによって、必要な機能やテーマは大きく異なりますが、Shopifyは7,000種以上あるアプリからニーズに合わせてカスタマイズできます。ショップのデザインからマーケティング、配送などさまざまな機能を追加でき、ビジネスチャンスを最大限に活かせます。
またShopifyアプリストアに並んでいるアプリは100の審査基準を満たしたアプリのみのため、安心して使用できます。課題に基づいた分類システムと強力な検索機能で、必要なアプリが簡単に見つかります。
カスタムコードで自由自在にカスタマイズ可能
Shopifyはウェブ開発の知識がなくてもカスタマイズできるプラットフォームですが、プログラミングやコーディングの知識があれば細かなカスタマイズをすることも可能です。
ショップのデザインや機能にこだわりたい人は、以下のようなカスタマイズができます。
- 既存テーマをカスタマイズする
- 自分で独自テーマを作成する
- 開発ツールとShopify APIを使って自社ストア用のカスタムアプリを作成する
このように、Shopifyはプラットフォームの利点を生かしつつも独自で立ち上げたウェブサイトのようにカスタマイズができるため、利便性にこだわったり、自社ストア専用の機能を追加したりと自由度が高いのが特徴です。
Shopifyを始めよう
ShopifyはオールインワンのEコマースプラットフォームです。既存テーマをそのまま使ってショップ運営を行うだけではなく、ニーズに合わせてアプリを追加でき、専門家に専用テーマやアプリの開発依頼をし、カスタマイズすることもできます。さまざまなニーズにも適応できるShopifyはネットショップ開設の基本設定もシンプルです。自分のショップにあったカスタマイズ方法を見つけ、ビジネスを成功へ導きましょう。
また、ネットショップは他にもさまざまなプラットフォームがあるため、Shopifyと他ネットショッププラットフォームとの比較も合わせて参考にしてください。
続きを読む
よくある質問
Shopifyとは?
Shopify(ショッピファイ)とは定期課金型のサービスで、だれでもすぐにネットショップを開始して商品を販売できるサービスです。Shopifyストアのオーナーは、オンラインだけでなく実店舗でもShopify POSを使って販売ができます。
Shopifyはいつ創業された?いつから日本進出をしている?
2006年にShopifyは誕生しました。日本進出は2017年からです。
Shopifyで販売できるものは?
幅広いジャンルの商品とサービスの販売ができます。物理的商品のほかにもダウンロード商品、メンバーシップ(サブスクやオンラインヨガスタジオなど)、チケット型の体験、講座やレッスンなども可能です。
Shopifyの読み方は?
カタカナで書くと「ショッピファイ」です。また、英語で書くときは「Shopify」と最初のSを大文字にします。
Shopifyでネットショップを開設するのに必要な費用は?
Shopifyのプランは3つあり、自社のビジネスモデルや開設予算に合わせて選ぶことができます。オプションやアプリを追加する際にも費用が発生することがあります。また、独自ドメインを取得し利用する際には初期費用や更新費用がかかります。