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創業70年・人気菓子メーカー鎌倉紅谷がShopify Plus導入でデジタル改革を推進

1954年創業の鎌倉紅谷は、クルミを使った焼き菓子などで知られる老舗菓子メーカー。代表商品の「クルミッ子」は、店舗で連日早い時間に完売となり、オンラインショップでも入荷後すぐに完売するほどの人気を集めています。

これまで店舗中心にビジネスを拡大させてきた鎌倉紅谷ですが、近年はオンラインショップ でも成長。Shopify Plusを導入し、次のような成果をあげています。

【Shopify Plus導入による成果】

  • 約半年でオンラインショップ の売上が前年比120%の成長
  • オンラインショップ への訪問者数が前年比190%に増加
  • 販売方法についてのネガティブな問い合わせ件数が90%以上の大幅な減少

2024年に70周年を迎えた企業がどのように「デジタル改革」に挑んで成功したのか。今回は、同社でダイレクト・マーケティング部のディレクターとしてオンラインショップ 強化の指揮を執る長野功一氏に詳細を伺い、成功のポイントを探ります。

オンライン強化に取り組んだ鎌倉紅谷

鎌倉紅谷は、2018年頃まで直営店舗での販売に集中していました。しかし、新型コロナウイルス流行の影響により、やむなく全店舗の一時休業を決断。営業再開後も、実店舗では様々な制限がかけられる状況が続きました。そんな状況の中、オンラインショップを利用されるお客様が増加。オンラインショップを通じた販売をより強化する計画を立て始めました。

まずは営業部の下に所属していたオンラインショップ関連業務に取り組む部署を独立させ、社長室直下に配属。オンラインショップに特化した専門の担当者を採用し、事業の柱の一つとして注力していきました。

コロナ禍を経てオンラインショップを利用する方が増え、またご自宅でお菓子を楽しむ方や、パーソナルなギフトに活用いただくシーンが増えたこともあり、特に人気商品である「クルミッ子」は、オンラインショップ と営業を再開した店舗の双方で当日分が完売するほどの人気で、商品の供給が追いつかない状況が続きます。

キャプション:鎌倉紅谷「クルミッ子5個入」

長野氏は、「人気商品や限定商品の在庫の投入時、メディア露出があった時など、アクセスが集中するタイミングに、お客様から『アクセスできない』『サイトにつながったと思ったらもう売り切れてしまっている』というお叱りが多く寄せられていました。かなりの機会損失な上に、お客様との大切なファーストコンタクトがそのような状況ではブランディングにおいても大きな課題でした」と振り返ります。

また、人気商品であるゆえに、フリマサイトなどで高額な転売も行われており、不正注文に対する対策も必要でした。そこで購入の平等性を担保すべく「抽選販売」を実施したいと考えましたが、そこでも課題が生じます。

「抽選機能に加えて、CRMへの取り組みとしてマイページ機能を追加したり、ギフト関連のサービスを強化したりしたいと考えていました。ですが、当時のカートサービスでは新機能の導入が難しかったり、可能な場合でも開発費が高額だったりしたため、断念せざるを得ませんでした」とジレンマを感じていたと話します。

鎌倉紅谷 ダイレクト・マーケティング部ディレクター 長野功一氏

2度目のリプレイスでもShopifyを選んだ訳

商品の生産を拡充するために新たな工場建設が決定した中で、それを支えるインフラの整備の一つとしてカートサービスを見直すことにしたのです。

アクセスが集中してもサーバーダウンしない「サーバー強度」を第一に、いくつかのサービスを検討した結果、次のポイントからShopify Plusが適していると判断しました。

  • サーバーの圧倒的な強さ: アクセス集中やレスポンス面での強さがあり、他社と比較してもコスト面で優れている。
  • グローバル基準のセキュリティ: 信頼性が高く、安心して利用できる。
  • サービス機能の充実: 豊富な機能・アプリを提供しており、導入が容易。
  • デザイン性の充実: デザイン面でも優れており、使いやすい。
  • 最新技術の活用: 常に最新のサービスや技術を活用している。
  • 業務改善: 倉庫の管理システムとの自動連携が可能であり、業務効率の向上が期待できる。

実は、長野氏は以前在籍していた会社でもShopifyへのリプレイスを経験していました。

「前の会社でShopifyを扱ったときに、機能やアプリの豊富さや拡張性の高さを実感していました。他社のサービスも検討しましたが、我々の今後の挑戦を踏まえると、今回もShopifyを選ぶのが最適な選択肢であることは明らかでした」と語ります。

そうして2023年1月、正式にShopify Plusの導入を決め、その移行はスムーズに進んでいきました。多くの企業にとって障壁となるデータマイグレーション(データ移行)もうまく乗り越えることができました。

数十万規模の会員・注文データを移行させる必要がありました。しかもサイトを稼働させたままクレンジングしつつ移していったので、想定以上に時間を要しました。とはいえ、大きなトラブルなく終えることができたのは、最先端の技術のことはわからなくても、自身の経験と知識から、開発パートナーに『自分たちが何を実現したいのか』を明確に伝えられたことが大きかったのかもしれません

鎌倉紅谷

長野氏

リニューアルから半年で売上が前年比120%に成長

キャプション:リニューアル後のオンラインサイト

 

10ヵ月の期間を経て、鎌倉紅谷はShopify Plusへの移行を完了しました。リニューアル後、Shopify Plusの導入により以下の成果を達成しました。

【Shopify Plus導入による成果】

  • 約半年でオンラインショップ の売上が前年比120%の成長
  • オンラインショップ への訪問者数が前年比190%に増加
  • 販売方法についてのネガティブな問い合わせ件数が90%以上の大幅な減少

これらの成果に最も大きく貢献したのは、サーバーのアクセス集中への強さです。サイトダウンがなくなり、ユーザーのアクセスを妨げることがなくなったことは、訪問者数だけでなく再訪者数の増加にもつながりました。また、ギフトを強化する目的で導入した「eギフト」の機能も成果を出しています。

当社の商品は、『商品は知らなかったけど、食べたら美味しいから買いたい。自分も誰かに贈りたい』というお客様が非常に多いという特徴があります。今回ギフト機能を強化したことで、ギフトで商品が届いたお客様が美味しいと感じ、次に自分で購入し、また誰かに贈るというサイクルが回りやすくなりました

鎌倉紅谷

長野氏

長野氏(左)、ダイレクト・マーケティング部 マネージャー高梨哲氏(中央)、ダイレクト・マーケティング部 スーパーバイザー 吉田裕子氏(右)

また、リニューアル前後でお客様からの問い合わせが大幅に減少したことについては、「お客様が不満に感じていた部分を取り除けたことが大きい」と理由を説明します。

「アクセスが集中するとオンラインショップに繋がらなかった問題が解消され、注文が殺到してもサイト動作が軽く、注文完了までのスピードが向上しました。また、『売り切れる前に!』と慌てて購入することで起こっていた注文ミスが減ったうえ、注文後のキャンセル機能を追加したことで、お客様自身がすぐに注文し直すこともでき、お問い合わせ数が格段に減りました」(長野氏)

また、購入の平等性のために導入した「抽選購入」については、鎌倉紅谷の有井宏太郎社長も、自らがSNSで発信する中で昔から要望が多かった機能だったこともあり、高く評価しているといいます。実際に抽選購入を実施したところ、販売数2,500個の限定商品に対して10倍以上の応募が集まりました。

長野氏は「今まで売上や販売数のデータは取っていたものの、毎日商品が売り切れてしまうため、商品に対して実際どれほどのニーズがあるかを把握する術を持ちませんでした。それが今回Shopify Plusを導入してオンラインショップ を運用する環境を整備したことで、高品質なマーケティングデータが蓄積されるようになり、効果的な施策の立案が可能になりました」と語ります。

マーケティングデータの活用強化と店舗のデータ連携を目指して

鎌倉紅谷では、2025年の新工場稼働に向けてより安定した運用ができるよう、今はShopifyとインフラの整備、そして組織体制の見直しを進めています。「今後はShopifyのデータを分析・活用したマーケティング活動に力を注いでいきたい」と長野氏。特に、店舗とのデータ連携を重視し、さまざまなサービスを連携して顧客の一元管理を実現することを目指しています。

今後の展望を尋ねると、長野氏はShopifyの活用をさらに広げる取り組みに意欲を見せます。まずは国内の需要に応えていくことが優先ですが、Shopifyには越境ECを構築する機能が多く備わっており、海外展開にもいずれ取り組みたいという計画です。さらに、AIを活用したユーザビリティ向上にも取り組んでいきたいと語ります。

「鎌倉紅谷では、電話受注をやめてオンラインサイトへの誘導に切り替えました。しかし、商品を長く愛してくださるお客様の中には70~80代の方も多く、オンラインでの操作が難しい場合もあります。AIを活用して、誰もが使いやすい体験を提供できたら」と、Shopify活用への期待を寄せました。

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食品・飲料

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