Shopifyは、今後全てのパブリックアプリの安全を確保するために、新たにカスタムアプリを導入します。今回の発表は、既存のアプリには影響しません。
現在、Shopifyマーチャントは特定のビジネスニーズを満たすために多彩なアプリを活用しています。そうしたニーズに応えられるように、Shopifyではデベロッパーがさまざまな方法でアプリ開発ができる環境を整えています。
多くのアプリはマーチャントから直接委託されていて、そこにはアプリ開発者とマーチャントとの間に信頼関係があります。また一方で、たくさんのアプリが一般ユーザーに向けて公開されていています。後者はパブリックアプリとShopifyでは呼ばれています。
マーチャントがShopifyアプリストアでパブリックアプリを見つけるとき、そのアプリがShopifyのレビュー(品質確認)を経ていると信頼しています。しかし今日まで、アプリストア外で頒布されているパブリックアプリに関しては、Shopify側のレビューがおこなわれていないため、警告が表示されるという状態でした。
本日より、それらのアプリをインストールするマーチャントのために、より優れた安全策が導入されます。すべてのパブリックアプリは、それがどこで頒布されているにせよ、Shopifyの基準に則ったレビューを経ています。
今後は、つねに一貫したパブリックアプリのインストールプロセス(一貫したリスティングページと支払いフローが表示されます)をマーチャントは体験できるようになります。
さらに、特定のマーチャントのためにアプリを開発する場合は、今までより安全性の高いソリューションとして、カスタムアプリを導入します。
今回の記事では、これらの変更点と、あなたが開発するアプリにとって重要となる部分について、解説していきたいと思います。
新しく導入されたカスタムアプリや、今後の公開アプリの承認プロセスについて、Shopifyデベロッパードキュメントでご確認ください。
開発者向けドキュメントを読む
パブリックアプリの変更点
2019年12月9日以降に開発されたパブリックアプリは、全てShopifyのレビューを経て、Shopifyアプリストアの一覧を通じてインストールされます。
つまり今後は、一般ユーザー向けに開発されたアプリは、同一の信頼できる一貫したインストールプロセスを介してマーチャントに届けられます。マーチャントは個々のアプリの価格を明確に確認でき、レビューを書き、Shopifyが仲介する安全な支払い体験を得ることができるのです。
"2019年12月9日以降に開発されたパブリックアプリは、すべてShopifyのレビューを経て、Shopifyアプリストアの一覧を通じてインストールされます。"
アプリ開発者は、必要に応じて自分のアプリを「非公開」に切り替えることができます。この場合、あなたのリストはアプリストアに表示されず、Shopifyの「おすすめ」にも出てきません。
Shopifyパートナーダッシュボード上で、新規アプリ開発のフローで改善された部分、本日お伝えしている変更点を確認することが可能になっています。
続きを読む: Tap to Payとは?仕組みや利用方法のまとめ
プロセスの改善、および今後の追加機能
上述したパブリックアプリ改善の一環として、アプリレビュープロセスを合理化し、レビューチームを増強して、プロセスを支援するための新しいツールを導入しています。今後、デベロッパーがアプリ登録前に問題をチェックできる方法を追加し、早めにレビューのフィードバックを得られるようにしていきます。
また、デベロッパーがアプリの支払い管理をおこなう方法を多様化するために、新しい課金機能の追加にも積極的に取り組んでいます。
注意点:今回の発表は、2019年12月9日以前に開発されたレビューなしのアプリには影響しません。それらのアプリは引き続きインストール可能ですが、警告が表示されます。
カスタムアプリについて
ここまでは、一般ユーザー向けのパブリックアプリの変更点について見てきました。しかしわたしたちのアプリプラットフォームは、特定のマーチャント向けのアプリ開発もサポートしています。
今日まで、こうしたアプリはプライベートアプリとしてのみ促進されていました。プライベートアプリは、マーチャントが作成してデベロッパーに共有するAPIキーで構成されています。プライベートアプリには、パブリックアプリにある機能がいくつか欠けていて、Shopifyマーチャントの管理画面内、アプリセクション下部のリンクからのみアクセスでき、分かりにくいです。
社内で非公開アプリの使われ方を確認したところ、多くのデベロッパーが1つのストアのためにアプリを構築していることが分かりました。これらアプリは、プライベートアプリにはない拡張機能や管理画面への埋め込み機能などを活用することを目的として開発されていました。
こうした機能を使えるようにするために、Shopifyはカスタムアプリを導入しました。
カスタムアプリは、パブリックアプリの機能をすべて備え、Shopifyパートナーダッシュボードで開発することができ、特定のマーチャントにシェアできます。カスタムアプリがインストールされると、マーチャントのShopify管理画面のアプリセクションにそれが表示されます。
"カスタムアプリは、パブリックアプリの機能をすべて備え、Shopifyパートナーダッシュボードで作成することができ、特定のマーチャントにシェアできます。"
アプリ詳細ページでは、マーチャントがアプリをインストールした日付などの有用な情報が確認できるようになっています。
Shopifyパートナーダッシュボードで直接カスタムアプリが作成できるようになりました
プライベートアプリ同様、カスタムアプリはShopifyのレビューを経る必要がありません。個々のマーチャントとデベロッパーの信頼関係に立脚しているからです。
注意点:この発表によってプライベートアプリの価値が下がるわけではありませんが、2020年にカスタマイズ開発を実施する予定がある場合、カスタムアプリを選択することを強くおすすめします。
アプリ開発のワークフロー
わたしたちの調査によると、いくつかの非公開アプリは特定のテスト目的で使用されていました。公開アプリとカスタムアプリがShopifyパートナーダッシュボードでどのように作成されるかという点において、わたしたちはこの調査をいくつかの変更点の根拠としています。
下書きの管理
今日以降、あなたが開発したアプリは下書き(ドラフト)として維持されます。アプリ開発時にはローカルの構築中ストアにインストール可能です。準備がすべて整ったら、カスタムアプリの場合はマーチャントに直接シェアし、公開アプリの場合はレビューのためにShopifyに提出しましょう。
ダッシュボード上で下書き(ドラフト)のアプリを管理できるページ
まとめ
Shopifyは、マーチャントのストアにアプリをインストールする際の安全性が低いと思われる方法をなくし、現在はすべてのパブリックアプリをレビュー対象としています。以下が、変更点の要約になります。
・レビューを経ずにインストールされた新規の「非公開」のパブリックアプリは廃止となります。12月9日以前に開発された既存の非公開アプリは、引き続き通常どおり機能します。
・新規に開発されるパブリックアプリはすべて、Shopifyアプリチームによるレビューを経て、信頼できるShopifyアプリストアのリスティングを経由してインストールされます。
・カスタムアプリは、個々のマーチャントのストア向けにアプリ開発者デベロッパーが開発できます。プライベートアプリは引き続き影響を受けることなく開発可能ですが、より堅牢で安全性の高いソリューションであるカスタムアプリのほうをShopifyは推奨します。
パブリックアプリとカスタムアプリは、パートナーダッシュボードで今日から開発可能となっています。インストール後は、マーチャントはShopifyアプリページでカスタムアプリとパブリックアプリの両方を確認することができます。
今後の展望について
これらの変更により、Shopifyで構築されたアプリの安全性はより向上し、マーチャントはより明確で一貫したアプリ体験を得ることができます。
同時に、われわれのプラットフォームにおける開発が、クリエイティブなアイディアや独創性、そして世界中のマーチャントのニーズに応えようとする意欲に満ちあふれたものとなるよう、わたしたちは努力し続けます。
今後も新しいアプリ開発方法の教材(リソース)を継続して展開していきます。それまでは、今回の記事で取り上げた変更点について、デベロッパードキュメントで詳細をチェックしてください。
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