Google Chromeは世界で最も使用されているウェブブラウザで、Statcounter Global Stats社の調査(英語)によると、シェア率は65.41%(2024年7月)にのぼります。直感的に操作しやすい、カスタマイズしやすいといった理由からプライベートからビジネスまで日常的に活用されています。必要に応じて拡張機能を追加すれば、さらに利便性を高めることができ、生産性の向上が可能です。
この記事では、生産性向上におすすめのGoogle Chromeの拡張機能を集めました。最新のSEO対策やマーケティング、セキュリティ対策などに役立つものをカテゴリー別に紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Google Chromeの拡張機能とは?
Google Chromeの拡張機能とは、Google Chromeにインストールすることで使用できる便利な追加機能のことです。ブラウザをより使いやすくカスタマイズできるだけではなく、生産性を高めるのにも有用です。
- Lusha(ルシャ)
- Calendly(カレンドリー)
- tl;dv(ティーエルディーブイ)
- Loom(ルーム)
- Streak CRM for Gmail(ストリークシーアールエムフォージーメール)
- Scribe(スクライブ)
- Bardeen(バーディン)
マーケティング
1. vidIQ Vision for YouTube(ビットアイキュービジョンフォーユーチューブ)
VidIQ Vision for YouTube は、YouTube動画の分析ができる拡張機能で、Youtubeチャンネルをマーケティングに活用している人に最適です。
YouTube動画のSEO評価を数値化してくれる機能や、特定のキーワードの検索ボリュームがわかるキーワードツールが備わっています。自分の動画だけでなく、競合チャンネルの動画のSEO評価を確認することもできるため、競合調査としても利用できます。
メリット
- 動画をSEOの観点から評価し、その評価を数値化してくれる
- 競合チャンネルの分析もできる
- 注目キーワードやキーワードの検索数を知ることができる
デメリット
- 無料プランは機能が制限されている
2. Buffer(バッファー)
Bufferは、Google Chromeから複数のSNSに同一の内容を一括で投稿できる機能です。投稿時間を指定できるほか、投稿先に合わせてテキストをカスタマイズすることも可能です。複数のSNSを訪問して投稿する必要がないため、管理者の時間削減に役立ちます。
メリット
- 複数のSNSアカウントに一括で投稿できる
- 予約投稿ができる
- アナリティクス機能がついており、クリック数やシェア数などのデータが閲覧できる
- スマホアプリもある
デメリット
- アカウントを作成する必要がある
- 無料プランは機能が制限されている
営業支援
3. Lusha(ルシャ)
Lushaは、LinkedIn(リンクトイン)や企業のホームページを閲覧中に、その企業の情報を収集したり、担当者の連絡先を見つけたりできる拡張機能です。営業先の情報を簡単に見つけられるため、情報収集の手間を減らしてくれます。
BtoB事業において新規取引先や提携先を開拓するのに適しており、素早く企業情報と連絡先を収集できます。
メリット
- 信頼できるデータが得られる
- 連絡先取得にかかる時間を削減できる
- LinkedInのセールスツールであるLinkedIn Sales Navigator(リンクトインセールスナビゲーター)と連携して使える
デメリット
- チームで使用するには有料プランが必要
- 必要な情報が見つかるとは限らない
4. Calendly(カレンドリー)
Calendlyは、ミーティングなどのスケジュール管理を簡易化してくれる日程調整機能です。拡張機能からスケジュールを作成できるため、他のアプリを開く手間を省けます。自身のウェブサイト上にCalendlyのURLを埋め込むこともでき、サイト訪問者がサイトを離れることなくあなたのスケジュールを予約できるようにもできます。また、オンライン会議でよく使用されるZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsとの連携も可能です。
メリット
- スケジュール調整が簡単に行えるため、業務効率化に役立つ
- わかりやすいUIで操作しやすい
デメリット
- ブラウザ版よりも機能が限定されている
5. tl;dv(ティーエルディーブイ)
tl;dvは、オンライン会議の議事録を自動で作成してくれるAIツールの拡張機能です。ZoomとGoogle Meetで行われる会議の録音や文字起こし、AIを使った会議内容の要約を拡張機能を通してできます。Slack(スラック)やTrello(トレロ)、Asana(アサナ)といったツールとの連携も可能なので、会議の録音を参加者全員に送信できます。
メリット
- 会議の議事録作成に最適
- 文字起こしは30か国語に対応
- 無料プランでも録音回数に制限がない
- 多くのツールと連携可能
デメリット
- 録画機能がない
6. Loom(ルーム)
Loomは、パソコン操作画面の録画にパソコンカメラで録画した自分のキャプチャ動画をワイプとして挿入できる拡張機能です。画面の操作方法を見せながらキャプチャ動画で説明を加えることができるため、導入したばかりのソフトやツールのチュートリアル動画を作成する際に役立ちます。
メリット
- UIがシンプルで操作しやすい
- 無料でも十分な機能が備わっている
デメリット
- 編集機能が限定されている
- 無料プランはストレージ容量が限られている
- 無料プランは録画時間が最大5分
7. Streak CRM for Gmail(ストリークシーアールエムフォージーメール)
Streak CRM for Gmailは、Gmailユーザー向けのCRM(顧客関係管理システム)機能です。外部のアプリやソフトを使ってCRM管理を行う必要がなく、やり取りがある顧客ごとの交渉段階(連絡済み、アポ獲得済み、交渉など)が一目でわかります。顧客情報の詳細を追加・管理することもできるため、記録した情報を元にして営業活動を行うことも可能です。また、送信日時を設定したり、メールが開封されたかどうかをトラッキングすることもできます。
メリット
- Googleアカウントがあれば新たにアカウント作成の必要がない
- メールが開封されたかどうか確認ができる
- 顧客管理が簡単にできる
デメリット
- 無料プランでは機能は限定されている
8. Scribe(スクライブ)
Scribeは、パソコンの操作マニュアルを簡単に作成できる機能で、拡張機能を起動して通常通りの操作を行うだけで、画面のキャプチャ付きの操作ガイドを自動で作成してくれます。手順ごとにスクリーンショットを撮影し、作業内容の解説文を追加していくと膨大な手間と時間がかかります。しかし、この拡張機能を使えば作業を自動化してくれるため、作業効率アップにつながります。
メリット
- AIを活用して素早く簡単なドキュメントが作れる
- 自動入力されたテキストを自由に編集できる
- 作成したドキュメントはリンクやサイト埋め込みで共有ができる
- PDFファイルで出力できる
デメリット
- 有料版デスクトップアプリに比べて使用できる機能が限定されている
- HTMLやMarkdownで出力したい場合は有料版が必要になる
9. Bardeen(バーディン)
Bardeenは、人工知能を使ったチャットサービスで知られるChatGPT(チャットジーピーティー)を活用した、自動化と効率化ができる機能です。顧客からの問い合わせに対する自動返信の設定から、ウェブスクレイピング(ウェブサイトから必要な情報のみを抽出する技術)を用いた競合他社や市場の流行に関する情報の収集・整理までさまざまなタスクを拡張機能から自動化できます。
メリット
- ルーティンワークを自動化できる
- 幅広い機能がついている
- 初めてでも使いやすい
デメリット
- 生成AIなどの機能は有料プランのみ
調査・分析
10. Similarweb(シミラーウェブ)
Similarwebは、ウェブサイトのアクセス数や流入元の調査など、いわゆるアクセス解析ができる拡張機能で、競合他者のサイトの調査・分析に役立ちます。さらに、サイト訪問者の興味のあるテーマやカテゴリといった情報も知ることができるため、マーケティング戦略の立案にも役立ちます。
メリット
- 無料でウェブサイトのアクセス解析ができる
- アカウントを作成する必要がない
- 競合他社のサイトを分析できる
デメリット
- 類似サイト分析は有料プランのみ
- 無料プランは閲覧できるデータ量が限られている
- リアルタイムデータは取得できない
11. Wappalyzer(ワッパライザー)
Wappalyzerの拡張機能を追加すると、閲覧しているウェブサイトがどのようなサービスを利用して作られたかを特定できます。例えば、ECサイトはShopifyを使って構築されており、アクセス解析にはGoogleアナリティクスが用いられている、といった情報が取得可能です。他のウェブサイトやECサイトがどのようなサービスを使って運営されているのかを知ることができ、自社でも活用できる機能やサービスを見つけるきっかけになります。
メリット
- 使用しているCMSやプログラミング言語、分析ツールなどを素早く特定できる
- 精度に定評がある
- カスタマーサポートが手厚い
デメリット
- 詳細設定などができない
12. Ad Library(アドライブラリ)
Ad Libraryは、ブラウザ上でFacebookの広告ライブラリやTikTok広告ライブラリなどから広告を保存したりダウンロードしたりできる機能です。パフォーマンスの良い広告を保存して分析することで、コンテンツ作成の参考に活用できます。
メリット
- 広告をオンラインライブラリに保存したり、ダウンロードしたりできる
- 簡単に保存ができる
- Facebook広告ライブラリ、TikTok広告ライブラリ、TikTokクリエイティブセンター、Instagramに対応している
デメリット
- 広告ブロッカーが入っていると使用できない
生産性向上
13. Workona(ワコーナ)
Workonaは、ブラウザのタブをまとめて管理できるもので、多くのタブを開いて作業をしている方にとって役立つ拡張機能です。ワークスペースと呼ばれるタブを管理するためのグループがあり、カテゴリ毎にタブをまとめることが可能です。ワークスペースをクリックすれば、一括で複数タブの切り替えができるため、多くのタブを開いたまま作業をしたい人におすすめです。Notion(ノーション)やGoogle Driveと連携させることもできます。
メリット
- 多くのタブをひらいたまま簡単に管理でき、作業効率を上げられる
- ワークスペース内のタブを簡単に検索できる
- NotionやGoogle Driveと連携できる
- ショートカットでワークスペースを呼び出せる
デメリット
- アカウント作成が必要
- 無料プランは機能が限定されている
14. BlockSite(ブロックサイト)
BlockSiteは、SNSなど特定のサイト閲覧を制限する機能です。仕事中についX(エックス)(旧Twitter)やYouTubeを見てしまい、仕事の効率が下がることもあるでしょう。仕事開始前に拡張機能を使って閲覧制限をかけたいサイトを指定すれば、これらのサイトの閲覧ができなくなるため、集中して仕事に取り組みやすくなります。
メリット
- 指定したウェブサイトと埋め込みされている投稿をブロックできる
- ブロックするサイトは自分で選択できる
- インサイト機能で自分のサイト閲覧傾向を知ることができる
デメリット
- 無料版は機能が限定されている
15. Momentum(モメンタム)
Momentumは新しく開いたタブにその日のToDoリストやリマインドなど、自身のタスクを表示させることができる機能で、Google ChromeだけではなくFirefoxでも使える拡張機能です。表示させる情報はカスタマイズできるほか、有料版ではカウントダウンやノート機能が使用でき、TrelloやTodoist(トゥドゥイスト)、Asanaとの連携も可能です。
メリット
- シンプルで操作しやすい
デメリット
- 外部アプリと連携させるには有料プランが必要
- カスタマイズできる範囲が限定されている
16. テキストリーダー
テキストリーダーの拡張機能を使えば、メールやウェブサイトの記事、PDF資料などを読み上げてくれます。話す速度や音量などをカスタマイズできるため、仕事をしながら無理なく聞けるよう調整でき、マルチタスクに役立ちます
メリット
- 多言語に対応している
デメリット
- 要約機能を使うにはChatGPTアカウントが必要になる
- 読み上げるファイル形式が限定されている
17. Liner ChatGPT(ライナーチャットジーピーティー)
Liner ChatGPTは、ウェブ上の気になる部分だけを簡単に保存できる機能で、AIを使った生産性向上ツールです。画像を保存したり、ウェブサイトの重要な部分に蛍光ペンで線を引いたときのようにハイライトを付けて保存したりすることができます。ChatGPTを使ってサイトやYouTube動画、PDFファイルの要約もしてくれるため、作業時間の短縮にも効果的です。
メリット
- ウェブページの一部を簡単に保存できる
- 重要なテキストにハイライトを付けられる
- サイトやYouTube動画、PDFファイルの要約をしてくれる
デメリット
- アカウントを作成し、プロフィールを入力しないと使用できない
18. Todoist(トゥドゥイスト)
タスク管理ツールのTodoistは、ブラウザ上からTo-Doリストを管理できる便利な機能です。To-Doリストの追加や管理が簡単にできるだけではなく、優先順位順に並べ替えたり、閲覧中のサイトをタスクとして追加することも可能です。定期的な予定を登録しておくこともできるので、スケジュール管理にも役立てられます。SlackやGoogle Driveと連携させて使用することもできます。
メリット
- ブラウザを離れることなくToDoリスト管理ができる
- タスクに優先順位をつけることができる
- スケジュール管理にも役立つ
- SlackやGoogle Driveなどのツールと連携させられる
デメリット
- アカウント登録が必要
- 無料プランは機能が限定されている
SEO
19. Keyword Surfer(キーワードサーファー)
Keyword Surferは、SEOキーワードの検索ボリュームや関連キーワードを調べられる拡張機能です。調べたいキーワードを入力して検索するだけというシンプルな操作で検索ボリュームがわかるほか、キーワードリストを作成しCSVファイルとしてダウンロードすることもできます。
メリット
- 検索キーワードの推定月間検索ボリュームや関連キーワードを調べられる
- キーワードリストをCSVファイルでエクスポートできる
デメリット
- 検索データが収集される
セキュリティ
20. LastPass(ラストパス)
パスワード管理サービスのLastPassは、クラウド上でさまざまなパスワードを一括管理してくれる拡張機能です。使い方は、LastPassにログイン情報やクレジットカード情報を記録させておくだけです。ログインしたいサイトにアクセスする際に、これらの情報をLastPassが呼び出してくれるため、煩雑なパスワード管理が不要になります。
メリット
- ログイン情報やクレジットカード情報管理を一括管理してくれる
- 安全にパスワード管理ができる
- セキュリティ性の高いパスワードの自動作成ができる
デメリット
- 無料版は機能が制限されている
21. Avast Online Security & Privacy(アバストオンラインセキュリティ&プライバシー)
Avast Online Security & Privacyは、アンチウイルスソフトで知られるAvastのGoogle Chrome拡張機能です。フィッシング詐欺を特定しブロックしてくれる機能や、悪質なウェブサイトかどうかを知らせてくれる機能がついています。また、Cookieのポップアップ表示を削減したり、ウェブサイトのトラッキングを阻止したりできます。
メリット
- フィッシング詐欺を特定しブロックできる
- 悪質なウェブサイトを判断し知らせてくれる
- ポップアップやトラッキングを阻止できる
- 個人情報が収集されるのを防ぐのに役立つ
デメリット
- 本格的なウイルス対策ソフトよりも機能は劣る
まとめ
Google Chromeの拡張機能は種類も数も多岐に渡り、プライベートでもビジネスでも生産性向上に役立ちます。また、必要に応じて業務効率化ツールと併用することで、より効果的に活用することができるでしょう。
拡張機能は、たくさん入れてしまうとGoogle Chromeの動作が遅くなる原因となるため、必要なものを厳選して使用することをおすすめします。無料で使えるものや無料お試し期間を設けているものもたくさんあるので、自分にあったものを選んで、さらなる生産性向上を目指しましょう。
Google Chromeの拡張機能に関するよくある質問
Google Chromeの拡張機能をたくさん入れると重くなる?
拡張機能をたくさん入れるとGoogle Chromeの動作が遅くなります。拡張機能はバックグラウンドで稼働するため、使用していない時はオフにする、使用しない拡張機能は削除することをおすすめします。
Google Chromeの拡張機能を入れるメリットは?
拡張機能を入れると、セキュリティを強化できたり、生産性を向上させたりすることができます。使用する拡張機能によって機能が異なるため、目的に合ったものを選び、インストールしましょう。
Google Chromeの拡張機能はスマホで使える?
拡張機能はスマホのGoogle Chromeアプリから直接使用することはできませんが、以下の方法を使えばスマホで使えるようになります。
リモートデスクトップ機能を使う:Chromeリモートデスクトップの拡張機能とアプリをそれぞれパソコンとスマホにインストールします。パソコンでGoogle Chromeを起動したままにしておけば、スマホから遠隔操作ができ、拡張機能もパソコンで使用するときと同様に利用可能です。
拡張機能対応のモバイルブラウザをインストールする:iPhoneならOrion Browser、AndroidならKiwi BrowserやYandex Browser with Protectといったブラウザアプリをインストールすることで、拡張機能をスマホで利用できるようになります。