Shopifyペイメントは、Shopifyの決済方法として多くのストアオーナーから支持を集めています。クレジットカードや電子決済サービスなどさまざまな決済手段に対応しており、導入から運用までスムーズに実現できるのが特徴です。
この記事では、Shopifyペイメントのメリットや設定方法について解説します。決済サービスの選択に悩んでいる人は、ぜひこの記事を参考に、Shopifyペイメントを導入してみてください。
Shopifyペイメントとは
Shopifyペイメントとは、Shopifyが提供する公式の決済サービスです。国内外のクレジットカード決済だけでなく、Apple PayやGoogle Payにも対応しています。日本円での決済はもちろんのこと、多通貨決済も可能なので、越境ECを行いたい事業者にとっても使い勝手の良いものになっています。
また、最短で登録したその日から利用を開始できるため、ECサイトを立ち上げてすぐに販売を開始できるのも魅力です。管理画面からクリック操作だけで設定でき、外部サービスへの登録も必要ありません。
Shopifyペイメントの決済方法
Shopifyペイメントは、以下のようなさまざまな決済方法に対応しています。
Shopifyペイメントのメリット
審査なしですぐに利用開始できる
一般的な決済サービスでは、審査に2週間から1ヶ月を要しますが、Shopifyペイメントは初期審査が不要なので、Shopifyの有料プランに加入し設定を完了するだけですぐに利用開始できます。
決済手数料以外の費用がかからない
Shopifyペイメントは、初期費用や振込手数料などの決済手数料以外の追加費用が発生しません。外部決済サービスだと必要になる取引手数料0.6〜2.0%が、完全に無料になります。
ほかの決済方法と比較すると全体的な手数料を削減できるので、利益率が上げやすいでしょう。
入金サイクルが短い
Shopifyペイメントは、決済後最短5営業日、最長でも11日後に入金されるため、資金繰りを円滑に進めやすい傾向にあります。創業初期は運転資金の確保が課題となりますが、入金サイクルが短ければ、商品の仕入れやマーケティング活動に積極的に取り組みやすいでしょう。
ただし、支払い確定期限は7日間と決められているため、取り寄せ商品など発送に時間がかかる商材を扱う場合は注意が必要です。
決済情報を一元管理できる
Shopifyペイメントは、すべての決済情報を一つの管理画面で管理できます。注文から売上、出荷、返金まで、決済に関わる情報をまとめて把握できるため、複数の管理画面を行き来する必要がありません。
また、支払い状況もリアルタイムで確認でき、注文のキャンセルや返金処理も同じ画面で対応することができます。銀行口座への振込額や次回支払い額の確認、支払い日程のカスタマイズなどの資金管理も効率良く行うことができます。
Shopifyペイメントの手数料
Shopifyペイメントでは、初期費用や取引手数料はかからず、Shopifyの利用料と決済手数料のみが発生します。Shopifyペイメントの決済手数料は、以下のようにShopifyのプランや使用するクレジットカードの種類によって異なります。
Basicプランの場合
- 月額 ¥3,650
- 決済手数料
- JCB及び国内のクレジットカード:3.55%
- Amex及び海外のクレジットカード:3.9%
Shopifyプランの場合
- 月額 ¥10,100
- 決済手数料
- JCB及び国内のクレジットカード:3.4%
- Amex及び海外のクレジットカード:3.85%
Advancedプランの場合
- 月額 ¥44,000
- 決済手数料
- JCB及び国内のクレジットカード:3.25%
- Amex及び海外のクレジットカード:3.8%
Shopify Plusの場合
- 月額 $2,300~
- 決済手数料
- JCB及び国内のクレジットカード:2.9%
- Amex及び海外のクレジットカード:3.75%
Shopifyペイメントの設定方法
1. ストア通貨の設定を確認する
Shopifyペイメントを設定する前に、ストア通貨を決定しましょう。ストアの所在地により銀行口座へ入金する際に使用する通貨が決まるので、日本のストアの場合、支払い通貨は日本円に設定するのが原則です。販売開始後にストア通貨を変更する場合は、Shopifyサポートへ連絡しなければなりません。
ストア通貨は、以下の方法で設定できます。
- 管理画面から「設定」を選ぶ
- 「一般設定」をクリックする
- 「ストアのデフォルト」から「ストア通貨を変更」を選択する
- ドロップダウンメニューから通貨を選ぶ
- 「保存」をクリックする
なお、日本円以外にも米ドルやユーロ、カナダドル、オーストラリアドルなどにも設定可能です。
2. 資格と銀行口座の要件を確認し登録する
Shopifyペイメントを利用する際には、以下の資格と銀行口座の要件を満たす必要があります。
- 資格
- Shopifyペイメントに対応している国でビジネスを展開している
- ビジネスの種類や商品が禁止されていないものである
- 法律や規制に準拠している
- Shopifyペイメント利用規約に準拠している
- 銀行口座の要件
- 普通口座
- 支払い通貨に対応している
- 電子銀行送金の受け入れができる
なお、事業拠点が日本にある場合は、日本にある日本円の銀行口座でなければなりません。要件を満たす口座の準備ができたら、以下の手順で銀行口座を登録してください。
- Shopifyペイメントセクションで、[管理] をクリックする
- [支払いの詳細]の[支払い口座]で、[銀行口座を変更する]をクリックする
- 口座情報を入力して、[保存]をクリックする
3. Shopifyペイメントを有効化する
以下の手順でShopifyペイメントを有効化します。
- 管理画面から「設定」を選ぶ
- 「決済」をクリックする
- クレジットカード決済サービス未設定の場合:「アカウントの設定を完了する」をクリックする
- ほかのクレジットカード決済サービス利用中の場合:「Shopifyペイメントを有効にする」をクリックする
Shopifyペイメントを有効にすると、既存のクレジットカード決済サービスは自動的に削除されます。設定完了後から、ECサイトで決済の受付が可能です。
4. 必要事項を入力する
続く設定画面で、ビジネス情報と個人情報を入力します。最初の販売から21日以内にアカウント設定を完了させないと、顧客への自動返金が発生してしまうため、早めに入力を完了させましょう。
- ビジネス情報
- 個人・個人事業主または法人を選択する
- 法人の場合は法人名と法人番号を記入する
- 登記上の住所を法人住所に入力する
- 個人情報
- ストア管理者の名前と連絡先を入力する
- 法的拘束権を持つ代表者の情報を入力する
- 顔写真付きの身分証明書を後日提出する
必要情報を入力したら、プルダウンからビジネスカテゴリーを選択します。小売やデジタル商品、衣料品などの業種のなかから該当するものを選びましょう。最後に、商品の詳細情報や請求明細書の宛名などを登録して完了です。
Shopifyペイメントのテスト方法
Shopifyペイメントの設定が完了したら、テストモードに切り替えて、商品注文から配送完了までの一連の流れに不具合がないか確認しましょう。
1. Shopifyペイメントをテストモードに切り替える
- 管理画面の「設定」をクリックする
- 「決済」を選択する
- Shopifyペイメントの項目から「管理する」を選ぶ
- 画面下にある「テストモードを使用する」のにチェックをする
- 「保存する」をクリックする
テストモードでは実際の決済が発生しないので、安全にシステムの動作確認ができます。
2. 商品を注文する
テスト用のクレジットカード番号を使用して、購入から決済までの一連の流れを確認します。ECサイトから実際に商品をカートに入れて購入ボタンを押しましょう。
注文手続きの際には、以下の情報を入力します。
- 実際に利用できるメールアドレス
- 配達先住所(ダミー可)
- カード名義(2文字以上)
- 有効期限(mm/yy形式の将来の日付)
- セキュリティコード(3桁の半角数字)
テスト用のクレジットカード番号は以下のとおりです。
- Visa:4242424242424242
- Mastercard:5555555555554444
- American Express:378282246310005
- Discover:011111111111117
- Diners Club:30569309025904
- JCB:3530111333300000
カード拒否や不適切な番号、異議申し立てなどの決済の失敗パターンもテストできます。専用番号が用意されているので、必要に応じて確かめておきましょう。注文完了後は、注文通知メールの内容も確認し、商品名や金額、配送料などの情報が正しく反映されているかもチェックします。
3. 注文確認とフルフィルメントする
フルフィルメントとは、商品の受注から配送完了までの一連の流れを管理するプロセスのことです。テスト注文が完了したら、管理画面の「注文管理」から注文内容を確認し、以下の手順で発送状況と支払い状況を確認します。
- 「アイテムをフルフィルメント」をクリックする
- 追跡番号を入力する
- 配送業者をプルダウンから選択する
- 「配送状況の詳細を今すぐお客様に送信する」にチェックする
- 「アイテムをフルフィルメントする」を再度クリックする
テスト注文の確認が終わったら、Shopifyペイメントページから「テストモードを使用する」のチェックを外し、実際の運用を開始しましょう。
まとめ
Shopifyペイメントは、ECサイト運営に必要な決済機能を包括的に提供するShopifyの公式決済サービスです。導入の際に審査が不要なことに加え、管理画面から簡単に設定できるので、すぐに利用を開始できます。
また、初期費用や取引手数料などの決済手数料以外の追加費用がかからないのも魅力の一つです。最短5日の迅速な入金サイクルや決済情報の一元管理などの機能が充実しているため、効率良くECサイト運営に取り組めるでしょう。
これからECサイトを立ち上げる人は、ぜひこの記事を参考に、Shopifyペイメントの導入も検討してみてください。
よくある質問
Shopifyペイメントがサポートする決済方法は?
- クレジットカード
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- 電子決済サービス
- Apple Pay
- Google Pay
- Amazon Pay
- Shop Pay
- PayPal
契約プランによって決済手数料は異なりますが、初期費用や導入費用、振込手数料はかかりません。
Shopifyペイメントは3Dセキュアに対応している?
Shopifyペイメントはデフォルトで3Dセキュアに対応しているので、追加設定の必要はありません。不正利用が疑われる場合に、選択的に本人認証を要求する仕組みを取り入れています。ただし、すべての注文で3Dセキュアが作動するわけではないので注意が必要です。
Shopifyペイメントの支払いサイクルは?
Shopifyペイメントの支払いサイクルは、「毎週」と「毎月」から選択できます。入金のタイミングは、以下のとおりです。
- 毎週払い:決済から最短5日、最長11日で入金
- 毎月払い:1日から31日の間で任意の入金日を設定可能
資金繰りを円滑に進められるような支払いサイクルを選びましょう。
文:Kana Fukuzumi