マーチャントはWebサイトの雰囲気を完全にコントロールするための力を必要としています。どのようなチャネルであれ、ブランドを表現するデザインを実現しながら、独自のユーザーエクスペリエンスを提供して、それをカスタマーベースに合わせて調整できるべきなのです。このような、成長中のビジネスが複数のチャネルを通じて完全にカスタマイズされた動的でクリエイティブな購入体験を提供したいというニーズは、柔軟性を実装する開発者に対して、多くを要求します。
Shopifyは、マーチャントの成熟度や技術リソース、複雑度にかかわりなく、すべてのステージにおいてスケール可能なeコマースのプラットフォームです。マーチャントはノーコードでスタートでき、数クリックで完全なストアを立ち上げて運用を開始することが可能です。それから、パートナーと開発者のエコシステムのおかげで、数千のアプリやテーマを使って、ビジネスをスケールしたり調整したりできます。最後に、マーチャントはチーム内やパートナーの開発知識を使い、コードファーストのアプローチによって独自のエクスペリエンスを構築することも可能です。
Storefront APIは、このようなユニークなショッピング体験を強化します。わたしたちはこれをカスタムストアフロントと呼んでいます。今回の記事では、最近のStorefront APIのアップデートと、この分野に関するわたしたちのビジョンについて、お伝えしたいと思います。
最新Storefront APIバージョンのカート機能
Storefront APIでカートを管理するというのは、今まであまりスムーズな体験ではありませんでした。リアルタイムで商品の在庫や価格、割引などを取得するには、チェックアウトの作成か更新しか方法がなかったためです。これは、チェックアウトのスロットル制限における課題にもなりました。
そこでわたしたちは、パフォーマンスと信頼性、そしてスケールのために、カートをゼロから再構築しました。チェックアウトで利用できる同じパワフルなプリミティブを搭載し、レイテンシーの低いレスポンスに最適化され、ストア全体のレート制限にかかわらずスケールできるように設計されています。
Storefront APIを使ってダイレクトにカートを操作できるため、お客さまの支払い準備が整うまでチェックアウトを作成することなく、注文に関する文脈的な情報をすべて集めることが可能になります。これらのカートはチェックアウトのスロットルに結びつかず、かわりにほかのリクエストと同じスロットルを尊重します。
これらの改良については、Shopify Unite 2021で最初に発表されましたが、カートのエンドポイントへのアプローチを最終決定する前にコミュニティからの意見が必要でした。コミュニティのみなさんの継続的なサポートとパートナーシップに改めて感謝します。プロダクトの改良のために、今後も引き続きディスカッションを通じてGitHubリポにStorefront APIのフィードバックをお寄せいただければ幸いです。カートだけではなく、Storefront APIのほかの側面においても改善を進めていきます。最新のアップデート情報を得るには、開発者チェンジログにご登録ください。
商品の予定公開機能:ベータ版で利用可能
マーチャントが事前に日時を指定して商品の公開をスケジューリングできるチャネル向けの予定公開機能が最近リリースされました。この機能は現在、プライベートベータですが、パートナーはパートナーダッシュボードからこの機能を利用することができます。
予定公開機能によって、マーチャントはカスタムストアフロントとその他の販売チャネルで商品リリースを準備することが簡単になり、複数のチャネルで一貫した公開が可能になります。カスタムストアフロントでは、指定日時に商品が即ライブ公開となり、中間レビューや認証プロセスなどはありません。
簡略化された開発者エクスペリエンスのためのSchemaアップデート
今年の初め、UniteカンファレンスでわたしたちはStorefront API schemaの開発者エクスペリエンスを向上させることをアナウンスしました。2021-10 Shopify APIリリースにおいて、その目標に向けた最初のステップとして、個々のリソースの取得方法を改良し、fieldの名前と行動により一貫性をもたせました。これらの変更については、開発者チェンジログで詳細をご確認いただけます。
また、来年初頭に利用可能となる予定の以下のAPI変更にも取り組んでいます。
- ほかのGraphQL APIとマッチするためにobject IDのBase64エンコーディングが不要になります
- これまでの廃止fieldを削除してクリーニングします
- Fieldの一貫性と簡潔性を引き続き向上させます
先を見据えて:Hydrogen
Storefront APIはカスタムされたショッピング体験を構築する強力な方法なので、できるだけ簡単にこのような構築ができるようにしたいとわたしたちは考えています。そこで、コマースに最適化されたShopifyによる新たな開発フレームワーク、Hydrogenに取り組んでいるところです。
Hydrogenは、事前構築されているReactコンポーネント、hooks、utilitiesが直接Storefront APIに統合されているため、開発のプロセスを高速化します。すべてのピースは効率的なデータ取得のために Shopifyデータモデルを中心にビルドされているので、時間を節約しながらパフォーマンスを向上させることができます。
Hydrogenによって、志向性のある一連の開発ツールとワークフローが提供されることとなり、スムーズな開発体験が実現します。これは、素早く開始してマーケットに投入するスピードをさらに上げることに役立ちます。
Hydrogenは、現在開発者プレビューで利用可能です。ぜひトライしていただき、貴重なフィードバックをいただければ幸いです。
Storefront APIとHydrogenについてもっと詳しく
Storefront APIを使うことで、世界中のお客様が望んでいるイノベーティブなショッピング体験を構築できるようになります。マーチャントによる素晴らしい事例がShopify Commerce+ で紹介されました。たとえば以下のようなマーチャントが、カスタムストアフロントでイノベーションの境界を押し広げています。
- Allbirdsのモバイルアプリは、AR(拡張現実)でシューズを試着できるようになっています
- OffLimitsのアニメキャラクターとゲーム化されたチェックアウトは、シリアルの購入を楽しいものにしています
- ZSAは、エルゴノミックなMoonlannderキーボードのパーソナライズを高度にカスタマイズしています
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登録する原文:Gorka Madariaga 翻訳:深津望