10年以上にわたって越境ECプラットフォームを提供し、世界190か国に約1億3200万人のアクティブバイヤーをかかえるオンラインマーケットプレイスeBay(イーベイ)では、在庫を持たずにストアを運営できるドロップシッピングでの商品の販売が可能です。
ドロップシッピングは、初期費用を抑えながらネットで稼ぐことができる、低リスクなビジネスモデルです。eBayの日本法人イーベイジャパンは、売り手に対して無料の販売サポートを行っています。
この記事では、eBayでのドロップシッピングについて、日本で始める際の注意点や始め方などをまとめました。
eBayのドロップシッピングとは?
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販売者が商品をeBayに出品し、注文が入ると、商品が直接購入者に発送される仕組みです。販売者は在庫を抱える必要がないため、初期投資を抑えてeBayでネットショップを開設できる利点があります。アカウントの開設や初期設定を完了させるだけで、在庫や物流の管理に悩まず、すぐに海外販売を始められる点もメリットのひとつです。
eBayドロップシッピングの始め方:7つのステップ

1. eBayセラーアカウントを登録する
eBayストアでドロップシッピングビジネスを始めるには、最初にeBayセラーアカウントを作成する必要があります。
まずはebay公式サイトにアクセスして、eBayアカウントを開設します。作成手順は次のとおりです。
- 登録ページにアクセスして「登録(resister)」を選択
- 半角英数字で氏名とメールアドレスを入力して、パスワードを設定
- 英語で住所を入力
上記の設定が完了すると、eBayセラーアカウントを登録できるようになります。登録に必要な手順は次のとおりです。
- ebayトップページの「My eBay」から「Selling」を選択する
- 「List an Item」>「Listings」>「Create listings」を選択する
- 仮出品の設定を進める
- 商品情報や配送方法、返品設定などを入力する
- 「List it」>「Get started」を選択する
その後、SMSまたは自動音声を使用して携帯電話番号の認証を行うことで、登録が完了します。また、支払いのためにデジタル決済サービスのPayoneerアカウントとebayアカウントと紐づける必要があるので、あらかじめ用意しておきましょう。
2. 商品を選定する
商品をリサーチして、eBayドロップシッピングに最適な商品を選びます。
一般的に、ドロップシッピングでは競争が激しいため、競合が少なく需要の高い商品が適しているといわれています。趣味やビジネスに関連するニッチな商品や、人々が繰り返し購入するアイテムを探してみましょう。
調達する価格によっては、競合の多い人気商品を売ることに挑戦するのもひとつの選択です。eBayのお買い得商品を見て人気の商品を調べて、類似品をより安い価格で調達できるかどうか、他のオンライン販売サイトより低価格で販売できそうかを検討しましょう。
3. ドロップシッピングのサプライヤーを選定する
商品を選んだら、より安く商品を提供できるサプライヤーを探します。
サプライヤーと販売者をつなげるドロップシッピングアプリのほかに、ドロップシッピング業者を利用するのもおすすめです。Shopifyアプリでは、以下の2つが日本語で利用できます。
日本で利用できるドロップシッピング業者としては、以下の3つがおすすめです。
各サービスの口コミや配送時間、利用料金などを確認して、あなたのビジネスに最適なサプライヤーを見つけましょう。
4. 商品価格を設定する
eBayのドロップシッピングで利益を得るには、適切な価格設定が求められます。適切な価格を考えるにあたって、考慮すべきポイントは次のとおりです。
- 商品の調達にかかるコスト
- 競合他社の価格設定
- eBayの手数料や配送料
- 梱包資材料などの諸経費
ebayには、4つの手数料が設けられています。それぞれの名称と料金は次のとおりです。
- 出品手数料:無料出品枠の250を超えると、商品ごとに0.05~0.35ドル
- 落札手数料:売り上げの12.35~15%+取引ごとに0.40ドル
- 海外決済手数料:売上総額の0.40~1.35%
- ストア手数料:月間0~2,999.95~ドル
ebay上に開設するストアの規模が大きいほどストア手数料が高くなりますが、無料出品枠が増えて、その他の手数料を抑えることができます。上記の要素を踏まえて、最も利益を上げられるように商品価格を調整しましょう。
5. ビジネスポリシーを設定する
eBayでビジネスを始めるためには、無料の管理システム「Seller Hub(セラーハブ)」を導入したうえで、次の3つのビジネスポリシーを設定する必要があります。
- Payment Policy(支払ポリシー):支払い方法に関する設定
- Return Policy(返品ポリシー):返品期間や返送料の負担先などの設定
- Shipping Policy(配送ポリシー):配送方法や到着予定日、発送できない国や地域などの設定
セラーハブを導入したら、My eBayからビジネスポリシーを設定できます。
6. 商品を出品する
ドロップシッピングで販売する商品の出品ページ(リスティング)を作成しましょう。ユーザーが検索しそうなキーワードを予測して、出品ページに含めることで、検索の表示順位をあげることができます。
出品ページには、以下の項目が必要です。
- 商品タイトル:購入者が検索で使いそうなキーワードを含めて、英数字80字以内で記入します。「大人気」などの煽り文句は不要です。「!」「●」「★」などの記号は使用できません。
- 商品説明:傷の有無といった商品状態など、購入者に知らせる必要がある情報を記載します。
- 画像:メイン画像1点と、ほか23枚まで登録できます。ebayでは6枚以上の商品画像を掲載することが推奨されています。画像サイズは長辺500ピクセルから使用可能ですが、推奨サイズは長編1,600ピクセルです。枠線やテキスト、アートワークは禁止されています。中古品や再生品、欠陥のある商品を販売する場合、状態がわかる写真を用意する必要があります。
- 返品ポリシー:サプライヤーが設定しているポリシーに対応しているかどうかの確認が必要です。
7. 注文をサプライヤーに転送する
ドロップシッピングビジネスでは、売れた商品の準備や梱包、配送などの業務をサプライヤーが行います。
ドロップシッピングサービスを活用することで、注文が入ったあとに詳細をサプライヤーに伝える業務を自動化することができます。
おすすめのサービスは、PrintfulとPOPCUSTOMSです。どちらのサービスも入った注文データが自動で同期されて、商品の生産や出荷などの業務を代行します。
日本のeBayでドロップシッピングを始める際の注意点5つ
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1. 英語でのコミュニケーション
eBay公式サイトや公式アプリの日本語対応は進められていますが、そもそもが英語ユーザー向けのサイトであるため、現在も一部は翻訳されておらず、英語のままです。
また、海外の購入者とやりとりをする際にも英語が欠かせません。公式サイトで、求められる英語力は中学生レベルと説明されていますが、商品に対する情報を正確に伝えられるようにする必要があります。具体的には、取引でよく使うフレーズをあらかじめ調べておくなどの対応が考えられます。
ebayは、英語に自信がない事業者向けにさまざまなサポートを提供しています。たとえば、日本の出品者向けのサポートサイトである「セラーポータル」にログインして、イーベイジャパンの販売サポートサービスに申し込むと、トラブルが発生したときに日本語サポートを受けられます。ほかにも、eBay用出品フォーマットを自動作成する英語の一括翻訳ツールなども活用できます。
2. Payoneerアカウントの開設
日本からeBayでドロップシッピングビジネスを行うには、Payoneer(ペイオニア)というオンライン送金、デジタル決済サービスのアカウントの開設が必須となります。
法人の場合は、会社の住所や設立日などの記載が必須です。スムーズにアカウントを開設するために、あらかじめ必要な書類を準備しておきましょう。
3. 発送元住所の確認
ドロップシッピングでは、サプライヤーから直接配送されますが、発送元住所として記載される情報は販売者の住所です。海外取引の際、住所の順番は番地→町または市→県の順番に表記することが一般的です。正しく登録しておきましょう。
4. 在庫の確認
ドロップシッピングでは、出品者が在庫を保有していないため、在庫を持つサプライヤーと連携して、適切に在庫管理することが不可欠です。在庫切れによって配送できない場合は、出品者都合のキャンセルとなってしまいます。
出品者都合でキャンセルすると、該当するアカウントに取引の不備を意味する「defect(ディフェクト)」の評価がつけられます。出品都合によるキャンセルが続き、取引欠陥率が2.01%以上になると、出品者の活動状況を評価する指標である「セラーレベル」が下がってしまいます。セラーレベルが下がると落札手数料が6%引き上げられる、出品数に制限がかかるなど、事業に悪影響があるので注意しましょう。
5. 商品状態の確認
商品に不備がある場合も、出品者都合のキャンセルとなります。販売する商品の状態については、事前にサンプルを取り寄せるなどして確認しましょう。商品の登録にあたっては、自分で撮影した写真を複数枚掲載したり、色むらや傷について説明したりするなど、購入者のことを考えた対応が求められます。
また、商品を出品する際には、eBayの出品ポリシーを遵守しましょう。出品ポリシーに違反した場合は、以下の措置が取られる可能性があります。
- 出品が取り消される
- 出品が検索結果に表示されなくなる
- 表示順位が下がる
- セラーレベルが引き下げられる
- 購入や販売が制限される
- アカウントが停止される
ポリシーを遵守していないと見なされると、出品者にeBayから通知が届きます。通知に記載された内容に従って、速やかに改善することが重要です。
まとめ
eBayでドロップシッピングビジネスを始めることができます。経済産業省によると、世界の越境ECの市場は、2030年には7兆9,380億USドルにまで拡大すると予測されています。広がり続けるEC市場に、低リスクで始められるドロップシッピングで参入してみてはいかがでしょうか。
ドロップシッピングビジネスを始めるなら、Shopifyがおすすめです。Printfulなどのドロップシッピング業務を簡単に開始できるShopifyアプリを複数用意しています。無料体験も実施していますので、この機会にぜひShopifyをご利用ください。
eBayのドロップシッピングについてよくある質問
eBayでドロップシッピングで出品することは可能?
eBayは、ドロップシッピング出品に対応しています。ただし、eBayに商品を出品し、他の小売業者や販売サイトで出品中のアイテムを購入して、購入者に発送することは認められていません。
日本でもeBayドロップシッピングビジネスはできる?
日本でもeBayでドロップシッピングビジネスをすることができます。
eBayのドロップシッピングに英語は必要?
eBayのドロップシッピングでは、中学生レベルの英語が必要です。eBay公式サイトは日本語対応が進められていますが、もともとが英語ユーザー向けのサイトであるため、現在も一部表記は英語のままです。
また、海外との取引は英語でのコミュニケーションが求められます。英語に自信がない場合は、イーベイジャパンが提供する公式販売サポート、翻訳ソフトや定型文、日本語出品ツールなどを活用しましょう。
eBayのセラーアカウント作成に必要なものは?
eBayのセラーアカウント作成には、特定の書類の提出が求められます。
パーソナルアカウントを作成する場合は、パスポートや運転免許証などの身分証明書に加えて、公共料金の請求書といった居住証明書の写しが必要です。
ビジネスアカウントを作成する場合は、代表者の個人情報と身分証明書に加えて、法人確認書類の写し、法人所在地の確認書類が必要です。実質支配者(UBO)がいる場合は、その個人情報と身分証明書の写しも提出が求められます。
文:Yukihiro Kawata