Shopifyのローカルデリバリー機能を使ってデリバリー販売を行うと、Uberや出前館より手数料や登録費用を抑えられるだけでなく、手渡しや店舗受取サービスの提供も可能です。
本記事では、Shopifyのローカルデリバリーや店舗受取の概要に加え、それぞれの設定方法や役立つアプリをあわせて解説します。
Shopifyのローカルデリバリーとは?
Shopifyのローカルデリバリーとは、指定区域内の顧客に配送業者を介さずに直接商品を届けたり、店舗での受け渡しを可能にするショップの機能のことです。
顧客がオンラインで購入手続きする際、住所がショップ指定の配送エリア内にある場合は、ローカルデリバリーを選択できます。これにより、ショップが店舗や事業所近くに住む顧客の玄関先まで商品を配送することも可能になります。
ローカルデリバリーを利用するための最低注文額や配達費用は、販売者が決めることができるので、不利益が出ないように料金を設定可能です。
ローカルデリバリーの設定方法
Shopifyでローカルデリバリーの設定を行うにあたって、デフォルト機能を利用する方法とアプリを導入する方法があります。費用を抑えたい場合はデフォルト機能が、より細かいデリバリー設定が必要な場合や、複数店舗を管理する場合はアプリが適しています。
Shopifyのデフォルト機能を活用する場合
- Shopify管理画面の「設定」から「配送と配達」に進む
- 「ローカルデリバリー」から「管理する」をクリック
- 「このロケーションでは配達を提供しています」にチェックを入れる
- 「配達エリア」で「配達範囲」を郵便番号または半径で指定
- 配達料金、最低注文金額を設定
- 設定完了後に「保存」をクリック
Shopifyのデフォルト機能を活用してローカルデリバリーを設定する場合は、上記の手順で進めていきます。デフォルト機能を使用する場合は、アプリを導入する必要がないため、追加費用なしでローカルデリバリー機能を利用できるのが特徴です。
Shopifyアプリを導入
- Shopify App Storeにログイン
- ローカルデリバリーに対応しているアプリを検索
- 希望のアプリを選択し、「アプリを追加する」をクリック
- 管理画面で「アプリをインストールする」をクリック
- アプリのインストール後、Shopifyの管理画面のアプリ管理ページから設定を開始
Shopifyにおけるアプリの導入手順は、上記のとおりです。アプリを利用することで、デフォルト機能より細かくローカルデリバリーに関する設定ができます。ただし、アプリによってはShopifyの月額料金とは別に利用料が発生することがあるため、導入前に確認しておきましょう。
ローカルデリバリーをより便利にするアプリ3選
ローカルデリバリーを細かく設定できるShopifyアプリを3つ紹介します。それぞれの特徴と設定方法を理解して、あなたのビジネスに合ったアプリをインストールしましょう。
テワタシ
- テワタシのダウンロードページからアプリをダウンロード
- ライトプラン、またはスタンダードプランを選択
- テワタシのアプリ管理画面から設定ページを開き、店舗情報を登録
- 「アプリ管理」で「テーマ反映」を選択し、利用中のテーマにテワタシの機能を追加
- 「デリバリー」で受付時間や配送エリアなどを設定
テワタシの導入は、上記の手順で行います。ライトプランは月額$9.90で1店舗まで、スタンダードプランは月額$20米ドルで200店舗まで登録可能です。複数の店舗を運営している場合、スタンダードプランを選択するとよいでしょう。
テワタシを導入することで、顧客はECサイトから店舗の位置や配送エリアを検索できるようになります。テワタシはコードの使い方などの開発知識がなくても簡単に利用でき、日本語で設定のサポートを受けられるのが特徴です。
.amp(ドットアンプ)
- .ampのダウンロードページからアプリをダウンロード
- Shopifyアプリ管理画面で「テイクアウト&デリバリー.amp」をクリック
- 営業開始・終了時間、定休日や特定の休業日を設定
- デリバリー可能エリアと店舗情報を登録
- 設定が完了したら「保存」をクリック
.ampの設定手順は、上記のとおりです。.ampでは、ランチとディナーなど異なる時間帯の営業にも対応した設定ができます。商品の調理時間や配達時間の目安を設定できるため、顧客に商品を提供できる時間を正確に伝えることが可能です。
いずれの機能も、月額$9.80のスタンダードプランで利用できます。月額$19.80のアドバンスドプランでは、スタンダードプランの機能に加え、テイクアウトとデリバリー毎の営業日時を設定したり、割引設定をしたり、複数店舗の設定ができるようになります。営業時間が一定ではない場合や店舗を複数運営している場合は、アドバンスドプランを利用するとよいでしょう。
Zapiet(ザピエット)
- Zapietのダウンロードページからアプリをダウンロード
- ESSENTIAL・ADVANCED・PRO・PRO PLUSからプランを選択
- 管理画面から「Locations」を選び「Address」から店舗住所を登録
- 「Local delivery」から「Enable local delivery」を選択し、配達する商品や日時、配達可能な地域を設定
- 設定完了後「Create」をクリック
Zapietは、上記の手順で導入可能です。プランは4種類あり、月額がそれぞれ$29.99、 $59.99、$129.99、$299.99です。登録できる店舗数も異なり、ESSENTIALが3店舗、ADVANCEDが20店舗、PROが100店舗、PRO PLUSが250店舗までとなっています。
また、いずれのプランも250件以上の注文管理や商品の在庫確認ができるため、注文のスケジュールを管理しやすいというメリットがあります。ADVANCED以上のプランでは日時による細かな注文管理が、PROからはリアルタイムでの集荷が可能です。PRO PLUSはすべての機能に加え、新機能へのアーリーアクセスができるようになります。
運営する店舗数が3店舗までで、基本的な機能で十分な場合は、ESSENTIALプランがおすすめです。運営する店舗数が3店舗よりも多い、あるいは日付や時間で細かく注文設定を行いたい場合は、ADVANCED以上のプランを利用するとよいでしょう。
ローカルデリバリーの活用事例
実際にローカルデリバリーを活用している企業として、上記の2社を紹介します。
ゴーゴーカレー
ゴーゴーカレーは、2004年に開店した金沢カレーを代表するチェーン店で、国内に100店舗以上、海外に15店舗以上を展開しています。ルーの濃厚さやキャベツの千切り、ソースカツをルーに載せるスタイルで、国内外で愛されています。
ゴーゴーカレーは実店舗での提供に留まらず、デリバリーサービスを提供しており、顧客の自宅まで美味しいカレーを届けています。
QBT(キュービーティー)
QBTは、鶏胸肉とブロッコリーに特化した独特なメニューを展開する食品ブランドです。高たんぱくで低糖質な「究極のブロッコリーと鶏胸肉」だけを提供し、特にアスリートやボディビルダーから支持を得ています。
実店舗は構えていないものの、東京を中心に全国60店舗以上と提携することで、ローカルデリバリーを実施しています。このように、オンラインストアであっても、他の店舗と提携することで、ローカルデリバリーを導入可能です。
フラワーショップ花次郎
ローカルデリバリーや、生花の配送や受け取りにも利用されています。大阪市にあるフラワーショップ花次郎では、宅配業者を使ったサービスの他に、スタッフによる生花ブーケのローカル配達を行っており、地域ごとにローカルデリバリー料金が設定されており、神戸や関西国際空港などには特別配達料金を設けて、様々な注文に対応しています。
Shopifyは店舗での受け取りも可能
Shopifyでは、店舗受取サービスの提供も可能です。店舗での受け取りの場合、顧客は送料を支払う必要がないうえに、都合の良いタイミングで取りに行けるというメリットがあります。また、商品をその場で確認し、不具合があればすぐに返品の手続きをすることも可能です。
店舗受取サービスの導入は、販売者にもメリットがあります。顧客が来店し、他の商品にも興味を持った場合は、追加で商品を購入する可能性があります。その際は、丁寧なサービスを心がけましょう。顧客に気に入ってもらえれば、リピートしてもらえるかもしれません。
このように、Shopifyの店舗受取サービスには、顧客側にも販売者側にもさまざまなメリットがあります。
店舗受取の設定方法
- 管理画面の「設定」から「ロケーション」へ進む
- 店舗受取サービスを提供する店舗のロケーションを登録
- 「設定」から「配送と配達」に進み「店舗受取設定」をクリック
- 店舗の「管理」で「このロケーションでは店頭受け取りを提供しています」にチェックを入れる
- 「商品管理」から「すべての商品」にアクセス
- 商品の「在庫」から「ロケーションを編集」に進む
- 店舗受け取りサービスを提供する商品とロケーションにチェックを入れる
- 「在庫」で商品の在庫数を登録
- 受注後、受け渡し準備が完了したら「注文管理」の「サマリー」で「集荷通知を送信する」をクリック
- 商品の受け渡し後「注文管理」から「受け取り済み・支払い済みとしてマークする」をクリック
Shopifyの店舗受取サービスの設定手順は、上記のとおりです。店舗受取の設定は、ローカルデリバリーをより便利にしてくれるテワタシや.amp、Zapietアプリを利用して導入することも可能です。店舗受取サービスもアプリを利用して導入した方が、注文の締め時間や休業日などの細かな設定ができるため、利便性が高くなります。
まとめ
Shopifyを活用して、ローカルデリバリーを提供することで、顧客は通常の配達より早く商品を受け取れます。また、店舗受取サービスの場合、顧客は送料を負担することなく、自分のスケジュールに合わせて商品を受け取ることが可能です。
いずれの機能も、Shopifyのデフォルト機能、またはアプリを導入することで利用できます。運営店舗数が少なく、基本的な機能だけで事足りる場合はデフォルト機能を、複数店舗を運営する場合や配達日時などの細かな設定を求める場合はアプリを利用するとよいでしょう。ただし、アプリを利用する場合はShopifyの月額料金に加えて、アプリの利用料金がかかることもあるので、あらかじめ確認することが重要です。
ECサイトの構築だけでなく、デリバリー販売も簡単に始められる、豊富な機能を備えたShopifyをぜひご活用ください。
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よくある質問
Shopifyのローカルデリバリーとは?
Shopifyのローカルデリバリーは、販売者が設定した配送エリア内の顧客に直接商品を届けられるサービスです。ローカルデリバリーを導入することで、配送時間を短縮したり、配送料を削減したりできます。
Shopifyの配送先住所はどうやって変更する?
- 管理画面から「オンラインストア」を選択
- 「テーマ」から「アクション」に進み「デフォルトテーマのコンテンツを編集する」をクリック
- 検索ボックスで「Shipping address」と検索
- 「Checkout delivery options」から「Shipping address」に進む
- 新しい配送先の住所を入力し、「保存」をクリック
Shopifyの配送先住所は、上記の手順で変更できます。
Shopify(ショッピファイ)の配送業者は?
ショッピファイの配送業者のうち、提携関係にあるのは日本郵便とヤマト運輸、佐川急便の3社です。3社に配送を委託すると配送コストを抑えられますが、3社以外の配送業者に委託することも可能です。